*DREAMS
□やきもち*J
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布団の中でもぞもぞと動くのは、キツネみたいな王子。
こっちは気が気じゃないのに…呑気だなあ。
「ばな子…なんでこっち向いてくれないの?」
向けるわけないでしょ、こんな狭いベッドで、2人っきりなんて。普通じゃない。しかもすぐ隣に…ジニョンがいるなんて考えただけで…
くすっと笑うジニョンの息づかいの一つにも、顔を見てないのにドキドキする。
「今日もね、いろーんな女の子に好き好き大好き、って言われちゃった」
…また始まった。ジニョンの、バナ自慢。
「愛してるって、何回も言われちゃった」
こう言うときは、全部ふーんで返す。もう慣れましたよー。
「…でね、嬉しかったからぎゅーしちゃった」
…はぁ!?
思わず振り向くと、やっと見た!って嬉しそうに笑うジニョン。と思ったらいきなりぎゅーっと抱きしめられる。
「こーんな風にね。ばな子が構ってくれないからだよ?バナは俺に好きって言ってくれるのに…」
…私はバナじゃないもん。そう呟く。
ジニョンはびっくりしたみたいに目を丸くする。次の瞬間、きゅっと目を細めて笑って、さっきよりもきつく私を抱きしめる。
「そっか。ばな子は俺の彼女だもんね」
その言葉を聞いて、ふっと安心する。
「じゃあ、彼女にしかしないこと、してあげる」
そう言って唇に落とされる甘い甘いキスは、私だけのもの。
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