†Short Novel
□†夏の残り香
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ジリジリと照りつける太陽。
暦上は秋なのに。
身体にまとわりつく風は
生ぬるく汗がにじむ。
いつもの時間に起き、
定番化した服に身を包み、
定時刻の電車へと駆ける。
その時、夏の匂いに混じって
ふと懐かしい香りがした。
行き交う人々の中に
思い出の人を探して佇む。
背後で電車が出発していく。
そこにあの懐かしい香りは…
夏の気配に消え去って、
残っていなかった。
2015.8.19
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