ジョジョ(短編)

□四角模様
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やあ承太郎。ちょっと今いいかい?聞きたいことがあるんだ。うん。ありがとう。単刀直入にいうと君ってナマエちゃんのこと好きだよね?ちょっ、大丈夫?そんなにむせて。え、なに?そんなに俺は分かりやすかったかって?うーん、別にわかりやすいってわけではないと思うよ。ナマエちゃんは君の想いに気付いてないようだし。そうかって、ああそれを気にしてたのか。うん大丈夫だよ。ナマエちゃんは君の想いについて全然気づいてないから。え?それはそれで複雑だって?ははっ、君は意外とわがままだよね。

うん、それでなんで僕が君の想いについて気がついちゃったのかというとまあぶっちゃけいうと同類だからかな。僕もナマエちゃんのことが好きなんだ。ちょっ、怖いよ承太郎!君みたいな身長195cmの男に睨まれたら男の僕だって怖いよ!威圧感出しすぎだよ!

ふぅ、全くもう。そんなんだと女の子に逃げられちゃうよ?え、ナマエ以外の女に興味ないって?うわ、もう男前だな。君ってあんだけ女の子に怒鳴り付けたりして興味無さげだったのに惚れたら一途なんだね。まあ僕も全然譲る気はないんだけど。ちょっと、ちょっと!スタープラチナ出すのはやめてよ!え?ナマエを好きな男は排除するって?こわっ!君ってそんなに好戦的だっけ?わっ、わっ。ちょっとまって!ちょっとまって!話はこれからなんだって!本題はこれからなんだって!

はぁ、なんかさっきからため息ついてばっかりだな僕。え、そのまま幸せ逃してナマエへのチャンスを失えって?ひどい!なんかさっきから承太郎ひどくない!?キャラクター変わってない?君ってそんな嫌なこという奴だったっけ?僕らの友情はそんなものなの!?え、友情と恋は別物だから遠慮しないって?あ、うん。そうだね。確かにそれについては同意せざるを得ないよ。この花京院典明、この件に関してはけして手を抜きはしない!全力で君を退けナマエちゃんの彼氏の座を狙うと宣言しよう!え?だから今のうちにぶっとばしとかねえとなって?いやっ、まって!だからまってって!

やれやれ。君と話してるといつまでたっても本題にいけないな。ん?脱線させているのは僕だって?そんなことないよ君だって!っと、また脱線してきたね。それで本題なんだけれど実はナマエちゃん好きな人がいるみたいなんだ。

偶然一緒に旅をしているうちに好きになってしまって、男らしいしスタンド強いし仲間思いで優しいしどうしようもないくらい好きなんですってナマエちゃんがアブドゥルさんに相談している現場に居合わせて、って、なんで承太郎頬を赤くしているの?やれやれ、式場を予約しないとなって?アハハ、何いっているんだい承太郎。仮にここでナマエちゃんが『私、承太郎が好きで、』とか言っていたなら僕がそれを君に伝えるわけないだろ?ライバルを鼓舞するようなことはしないって。え?じゃあてめえがその相手なのかって?だからスタープラチナで脅してくるのやめてってば!僕でもないよ。もしそこで出たのが僕の名前なら君にそのことを伝えるのは結婚式の招待状持参してだよ。

うん、じゃあ誰なのかって?もう一人いるだろ?僕らの他に対象になり得る奴が。信じられない?僕だって信じられないよ。悪夢としか思えない。君が想像している人間であってるよ。ナマエちゃんが好きなのはね、



『あ、わ、私ポルナレフが好きで!』



…うん、ポルナレフなんだ。あの電柱野郎なんだよ。ナマエちゃん趣味悪いよ。なんでよりによってポルナレフなんだよ!あんな奴のどこがいいんだよ!軽いし適当だし思慮に欠けるしあんな下半身で会話しているような奴の何がいいの!?うわあああっ!承太郎に負けるなら正直仕方ないと思えるんだけどポルナレフだと!?ありえない!僕のどこがポルナレフに劣ってるんだよ!髪の高さか!?それは勝てないよ!え、承太郎どこいくの?恋のライバルは物理的に排除しねえとって?はは、ねぇ承太郎。君にまだいってなかったけど僕もなんだ。僕も恋の障害は叩き潰していくタイプなんだ。うん、じゃあ電柱狩りに行こうか。















承太郎と花京院がポルナレフとじゃれている。意外とあの3人って仲いいよね。なんかポルナレフから悲鳴が聞こえて来る気がするけど気のせいだろう。ああいうときは男子っていいと思う。女子は入りにくいです。

まあそれは置いといて私には悩みがある。こんな旅の道中で不謹慎だとは思うけど好きな人ができた。その人の名前はポルナレフ、では当然ない。なんであんな軽くて適当で思慮に欠けて、下半身で物事を考えているような奴を好きにならないといけないんだ?私そこまで男の趣味悪くないぞ?

じゃあ誰が好きなのかというと、これ失敗したかな。いや相談から距離を縮めていこうというと思って話しかけたんだけど好きな人の名前聞かれて思わずポルナレフの名前あげちゃったのだよね。ミスったなー。勘違いされてしまったよ。もういっそあのときに告っておくんだった。

うん、そうだ。私の好きな人はアブドゥルさんだ。ポルナレフなんかじゃかいよ?あんなイカれポンチとアブドゥルを同じにしないでくれ。

アブドゥルさんは頭いいしリーダーシップあるし仲間思いだしスタンド強いしめちゃめちゃ格好いい。年上の良さを全て詰め込んだような人だ。アブドゥルさんが身に付けるとあの意味のわからない髪型と装飾品ですら魅力的に見えるから不思議だ。残念なことにアブドゥルさんは妹を見るような目でしか見てくれないからそれを逆手に取って相談事から仲良くなっていこうと思ったんだけど失敗したな。あそこでポルナレフの名前なんか出すんじゃなかった。

だが旅はこれからも続くだろうしチャンスはあるはず。焦らずゆっくりと落としていこうと承太郎と花京院とポルナレフの仲裁に奮闘するアブドゥルを見て決意する。

恋は盲目、アブドゥルさんに夢中な私は3人がなんで暴れていたのかなんて全くわからなかったのだった。


ーendー

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