ジョジョ(短編)

□絶望の花嫁
1ページ/1ページ



私がジョセフ・ジョースターとして生まれたことで救えたものがあった。それはシーザーだ。原作を知っていた私は柱の男が待ち受ける建物にシーザーを1人で行かせなかった。それによりシーザーは負傷しリサリサ先生とともにカーズ達の待ち受ける場所までは来れなかったが命は救われた。死ななかった。シーザーは生きている。

私がジョセフ・ジョースターとして生まれたことで救えなかったものがあった。それは世界だ。私はカーズに負けたのだ。究極完全体となったカーズを宇宙へ追いやれなかった。火山が噴火しなかったのだ。



「ナマエ、お前には随分と苦しめられた。楽には殺さんぞ」


「か、はっ、」



カーズに踏みつけられ肺に溜まっていた空気を吐き出す。赤石は何処かに行ってしまった。もう希望はない。世界はこの新たなる生命に蹂躙されるのだろうか。

いや、そんなことはない。あと何十年もしたら、世界には数多くのスタンド使いが生まれる。きっとカーズを倒せるスタンド使いだって現れるはずだ。私が果たせなかった責務を果たしてくれる人が現れる。きっと世界は滅びたりしない。

心残りはホリィを、ジョースター家の子孫をこの世に残してあげられないことだ。この先未来にたくさんの可能性を生み出し世界の理を曲げるもの達を討ち滅ぼす子孫達を残してあげられないことだけが気掛かりだ。

それでも私にとってシーザーを救えたことだけが良かった。あいつを死なせずに済んで本当によかった。その代償というなら私は喜んで死ねる。私はシーザーが好きなのだ。

シーザーが彼の望むような暖かな家庭を築くことができるなら、その相手が私でないのだとしてもそれだけで報われる。このままカーズに四肢を切り裂かれ喰らいつかれたとしても幸せだったといえる。私はこの世界に生まれてこれてよかった。



「なんて顔をしているんだナマエ。まさかナマエ、貴様このまま自分が殺されて終わりだと思っているのか?」


「はは、何?なら見逃してくれるの?それはうれぴーね。是非そうしてよ」

「そんなわけはないだろ。貴様は我が同胞を殺し過ぎた。ならば貴様にその分補って貰おうと思ってな」



そういってカーズはニヤリと笑う。なんのことか分からず怪訝な顔をするとカーズはうつ伏せになっていた私の身体を仰向けにひっくり返しそして服を引き裂いた。元々激しい戦闘でボロボロになっていたがそれでも服として体をなしていたものを布切れに変えられて私は驚きと羞恥で叫んだ。



「な、何すんだカーズ!このむっつり!変態!あー、この服気に入っていたのになんてことするんだよ。帰れないじゃん」


「心配することはない。2度とその服が必要な環境には戻らない」



そういってカーズは舌なめずりをする。その様子にまさか私を吸血鬼にするつもりなのかと身構える。だがそれならそれで波紋で自分の身体を滅すればいいだけだ。人間をやめてまで生きたいとは思わない。私にも最低限波紋戦士としてのプライドがある。



「にゃにー?私を吸血鬼にでもするつもりー?そんなことしたら直ぐに波紋使って消えてやるわ!くるならこい!」


「ふん。そんなちんけなものに貴様をするつもりはない。私はエシディシ、ワムウと倒してきた貴様にそれなりの敬意を持っている。貴様ならば相応しいだろう。我が花嫁にしてやる」


「は?花嫁?」



カーズから発せられた予想外の言葉に思わず呆然としてしまう。この世で最もその言葉が似合わない男ではないだろうか。困惑したままカーズを見上げる。カーズは相変わらず上機嫌だ。



「そうだ。我が一族に迎え入れてやるナマエ」


「そんなこと言われても私は人間だけど」


「ふふん。貴様我が一族にする方法がある。それはその胎内に一族の子を宿すことだ。そうすることで子を産むために肉体が作り替えられ我が一族と同等の身体を手にする。最も普通の女ではその過程で命を落とすことがほとんどであるが貴様ならば大丈夫であろう。エシディシとワムウを討ち果たしたその肉体が我が種を受け入れられぬはずはない」



クククと相変わらずカーズは上機嫌で意味の分からないことをいう。奴の言う道理はこれっぽっちもわからなかったが一つだけわかったことがある。それは子を宿すという言葉だ。服を剥がれた過程とその言葉からこれからされることが容易に想像ついてしまった。身体が震えるのがわかる。こいつは私を孕ませようとしてるのだ。



「いやだ、」


「ほう、漸く表情が変わったな。絶望に歪むその顔、実にそそるぞ」


「嫌だ、やめてくれ。それだけはイヤだ。わ、私はシーザーのことが、」



ふるふると首を振り身体を後退させ少しでもカーズから離れようとする。だが直ぐにカーズに取り押さえられ逃げれなくなる。イヤだ。そんなのはイヤだ。初めてはシーザーとすると決めていた。この戦いが終わればシーザーと結ばれようと約束してた。それが叶わないというなら誰にも汚されずそのまま死ぬつもりだった。私の身体も心も全部シーザーのものなのだ。それをこんな、こんな、カーズなどにくれてやるつもりはない!



「やめろカーズ!そんなことされるくらいなら死んだ方がマシだ!殺せ!それでいいだろ!」


「貴様のここまで動揺する姿を見られるとはこの方法を選択したのは正しかったようだな。なんだ、愛しき男でもいたか。そいつに抱かれなくて残念だったな」


「ふざけるな!くそっ、離せよ!」



ジタバタと暴れなんとか逃れようとするとカーズは身体の一部をタコのような触手に変え私の手足を拘束した。ナメクジの這った後のヌメリのようなものが身体に纏わりつき気持ち悪い。ヌルヌルしているというのに拘束は解けないし不愉快だ。それでもなんとか逃げようとする私を見てカーズは笑う。逃れられないのに逆らう私が滑稽なのだろう。



「どうやったってもう逃げられないぞ?諦めたらどうだ」


「ちくしょう、」


「くくく、それではいよいよ貫通式といこうじゃないか。私のモノを受け入れるのに痛みが伴うだろうがすぐに善くしてやる。痛みと快楽に狂うといい」



そういうとカーズは私の足の間を割って入り込みそして膝を抱えた。カーズの股間には何もなかったところからビキビキと太く長い人間の男性器と似たものが生えてきた。違うのはその大きさと表面に様々な凹凸があることだろう。イボが生えたその凶悪な性器に思わず腰が引ける。当然だ。私は初めてなのだ。こんなもの受け入れられるはずがない。



「ひっ!無理だそんなもの。入らない」


「入らなくて裂けようが後で治療してやろう。なんだ先ほどから反応が初々しいな。ナマエ、貴様このような行為はしたことがないのか?」



その言葉にかっと赤くなる。そうだ、こんな行為したことない。初めてはシーザーとしようと言っていたのだ。なのにこんなおぞましいものに私は蹂躙されるのか。シーザー、君のためならなんでも耐えることができると思ってた。君が生きていられるならどんな代償でも払えると思っていた。だけどこれは、



「そんな怯えた顔をするなナマエ。貴様が愛しく思えるではないか」


「イヤだ‥、シーザー。たすけて」


「それでは入れるぞ。我を受け止めろ」



そういうとともにメキメキとカーズのものが押し入ってくる。身体を真っ二つに裂くような痛みに呼吸すらできない。目を最大限見開き身体を仰け反らせる。受け入れされられた場所が熱かった。



「あ"、あ"がっ‥、はっ、」


「全て入ったぞナマエ。だが貴様はそれどころではないようだな。ならばその痛みを和らげてやろう。貴様のよく知る波紋とやらでな」



そうカーズがいうとともに腹部が温かくなる。カーズの手が結合部に置かれそこから波紋が流されていることがわかった。痛みがぬるま湯に包まれ感覚が遮断される。あの引き裂かれるような痛みはどこにもない。だがそうすると今度は身体が女とした機能し始める。身体が快感を広がり始めた。嫌だ。そんなものは必要ない。この身体はシーザーのものだ。快楽を受けるくらいなら痛みの方が遥かにマシだ。ただ音を洩らすだけの口をなんとか動かし言葉を紡ぐ。これ以上侵食されるのはごめんだ。



「いい、やめろカーズ。そんなことしなくていい。痛みを和らげなくていい。そのままにしてくれ」


「ん?何故だナマエ。お前は快楽より苦痛を好む人間ではないだろ?ああ、そうか。快楽に屈するのが嫌なのか。ククッ、ならば落としてやろう」


「何をいっているカーズ。やめ、ひぃっ!あっ、あああぁっアアッ‥!!???」



カーズが腰を打ち付けた瞬間あり得ない快感が身体を突き抜けた。脳髄が痺れ身体がビクビクと震えていた。

何が起こったかわからないがカーズが何かしたのはわかった。可笑しくなった身体にふるえながらカーズを見上げると奴は実に愉しそうに私を見下ろしていた。



「な‥、にをしたカーズ」


「ただ痛みを和らげるように波紋を流してやっただけだ。ただし我が波紋の力は貴様らの数百倍の強さがある。なので感度が数百倍にまで上がったことだろう。存分に楽しむがいい」


「ふざけるなカーズ!あっ、アアッ!ひあああっ!ひぐっ!あああァッ!!」



カーズがパンパンと数度腰を打ち付けた。それだけで身体にとてつもない刺激が駆け巡り頭がスパークする。私はイってしまったのだ。だがそれでもカーズの動きは止まらない。カーズは腰を動き続けた。



「やっ!やぁめてぇっ!!いまっ‥!イってるからうごかないでえぇぇッ‥!!」


「ほう、それはよかったな。好きなだけ絶頂するがいい。私が止まる道理はない」


「そんな‥、はぐぅ!あっあっひあァあっ!い゛いいいいっ!!」



やめてと懇願するもむしろカーズはその言葉に腰の動きを強めた。最早カーズが一突きするごとにイってるのではないかというほどの快感が身体中を支配する。常に絶頂しぱなっしだった。



「ああっ!あんっ!やらァっ!ひぅっ‥、んあらぁァっ、あああっ!」


「ククク、いいぞナマエ。お前の快感に惚けた顔は実に好ましい。もっとよくしてやろう」



カーズがそういうとともに手足を拘束していた触手達が蠢きだし身体を愛撫し始めた。あるものは身体中を這いあるものはタコの吸盤で胸を吸い上げあるものは先を尖らせ秘部の芽をチロチロと擦る。不快だったあのヌメリが心地よくすら感じる。

もう何がなんだかわからないほどの快感を受け私は絶叫する。狂いそうだった。



「あああっアヒッ!らめぇてっ!すわないでぇ、もまないでっ、ああああっ!だめっ!だめっ!ああっもういくうぅぅぅーーっ!!!」


「ああ、いいだろう。我もそろそろイく。さあナマエ、新たな種族の誕生だ。祝福するといい」


「あああっ!いやだっ!しーざぁーっ!しーざーっ!たすけてぇっ!カーズのはなよめなんかなりたくないッ‥!アアッ!らめっ!やめてぇッ!ああああっ!!!」



その瞬間中に熱を注がれその衝撃で私も絶頂する。身体中にその熱が駆け巡り身体が作り替えられる感覚があった。ああ、私は孕んだのだ。

カーズは力を抜けた私を抱えあげ抱き締めると耳元で囁いた。その言葉は穏やかに紡がれた。



「さあ、ナマエ。我が花嫁よ。我はお前を愛そうぞ」



そこには暖かさも含まれていたが私には届かない。ただシーザーと言葉を溢すと虚ろな瞳から涙を溢した。


ーendー

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ