ジョジョ3

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顔が濡れて力がでないー。今の私ほどアンパンマンの気持ちを理解できる奴はいないんじゃないだろうか?ああ、もうダメだ。海水を浴びたせいで全く力がでない。思考も緩慢になっていく。ガクッ、



「ナマエちゃんどうしたの!??まさかあのスタンドの攻撃を受けて!??」


「ナマエしっかりしろ!!!」



倒れた私を承太郎が抱き抱える。ぐったりとした私を見て皆に緊張が走る。スタンド攻撃か!?だが攻撃は見えなかったぞ!?という皆にすいません、ただ海水が弱点なだけです。スタンド攻撃は受けてないよ。でももう戦闘不能なので前線にはたたせないでーと状況を説明したいのだが口を開くのさえ億劫だ。ハイプリエステスは今頃え、私何もしてないよ解せぬとか思ってることだろう。濡れ衣着せてすまんね。でもそもそもの原因はハイプリエステスが潜水艦に入ってきたのだからやっぱりこいつのせいじゃね?なんだただの自業自得か。

アブドゥルさんがハイプリエステスの説明をし承太郎が私を抱えると電話が鳴った。このタイミングで掛かってくる電話ってなんだ?状況が状況だけに嫌な予感しかしない。なんかホラー映画的な展開がきそう。もしもし?あたしハイプリエステス。今貴方の後ろにいるの。グサッ、みたいな。なんにしても今は戦闘中だから電話なんか取ってられない、っておい承太郎。



「ジジイは今電話には出れねえぜ」



承太郎は私を片手で抱えながら受話器を持ち上げた。おい、電話取るのかよ。今戦闘中なんですよ?ハイプリエステスが部屋に潜んでるんだよ?片手に私をもう1つの手には電話の受話器を持つ承太郎はめっちゃ無防備なんですがこれどうよ?今襲われたら確実にお陀仏じゃねえ?電話に出れないのはお前もだよバカ太郎。早く通話切れ。

承太郎はジジイには俺がついているというと電話を切った。状況が違えば感動のシーンだったのが今は沈没間近の船の中なのでできればもう少し慌ててください。結局ハイプリエステスは承太郎の電話中は襲ってこなかった。奴は空気が読める。



「ポルナレフ、奴がどの計量器に化けたかわかるか?」


「確かこいつだったと思う」



ポルナレフがそういって指差した計量器に向かい承太郎がスタプラを近付ける。いやその計量器じゃないから。ハイプリエステスは潜水艦を壁伝いに化けながら移動してくるのでもうとっくにそこからいなくなってます。確か背後から襲い掛かってくるんじゃなかったっけ?今一番後ろにいるのは典明か。典明逃げてええええーーー!!!



「キシャァァァー!!」


「こいつ既に移動してるぞ!」


「クッ!エメラルドスプラッシュ!!!」



背後から襲いかかってきたハイプリエステスに典明が咄嗟に反応しさらに反撃する。典明強ええ!今の攻撃に反応できるの?お前はスタプラか!何だかんだいってこいつ凄腕スタンド使いだよね。2話であっさり承太郎に負けたけどやっぱり強いわ。さすが3部の闘うヒロインだ。だけれどもう少し控えてくれると嬉しいです。今のエメラルドスプラッシュの攻撃受けてさらに潜水艦に入る海水の量が増えたぞ?や、やさしくしてー

だがハイプリエステスも負けていない。エメラルドスプラッシュをかわすと典明に反撃してきた。典明は負傷する。直ぐ様部屋を移動しよう!というアブドゥルさんがドアに駆け寄ると既にハイプリエステスはドアのハンドルに化けていた。こいつ早い!アブドゥルさんがスタンドを出すより先にハイプリエステスの爪がアブドゥルさんを襲おうとした瞬間青い腕がハイプリエステスを捕まえた。承太郎がスタープラチナでハイプリエステスを捕らえたのだ。



「捕まえたぜ。どうする?」


「躊躇うな承太郎。そんな奴引きちぎっちまえ」


「あいあい」



ハイプリエステスを捕らえた承太郎がどうするか問えば即座にポルナレフがやっちまえという。その言葉自体は賛成だが言い方が怖いわ。なんで引きちぎるとかエグい表現するんだよ。倒すとかにしてくれ。承太郎がハイプリエステスに止めを刺そうとする。その瞬間ハイプリエステスは剃刀に化け承太郎の手をズタズタに引き裂いた。



「ッ、」


「大丈夫か承太郎!??」



スタープラチナの手から逃げ出したハイプリエステスがケタケタ笑う。承太郎に抱かれているため承太郎の手に触れている私の服も赤く染まっていく。取り敢えず次の町で新しい服を調達しないといけませんね。承太郎の指型に赤く染まった服はいやです。にしても服越しにもどんどん承太郎の指から血が溢れてるのを感じるんだけど大丈夫かこいつ。結構重傷だぞ?承太郎がヤられると本格的に詰むので御身は大切にしてください。そしてついでに私のことも守ってください。



「てめえはこの空条承太郎がじきじきにぶちのめす」



そういうと承太郎はドアをくぐり仲間とともに走り出す。カッコいい!きまってる!流石主人公だ!え、お前は何してるのかって?承太郎にお姫様抱っこされてるだけですが何か?正直めっちゃ恥ずかしいが服を濡らす海水が地味にMP削ってきて頑張れば立ち上がるくらいは出来るけど間違いなく生まれたての小鹿になります。走るなんて出来ません。そうこうしてる間にハイプリエステスに追い付かれてこの世とおさらばするはめになったらそれこそ嫌だ。というわけで大人しく承太郎に抱かれて運んでもらってます。だけど承太郎、スキューバダイビングの準備くらいは自分でやるから大丈夫です。ゴーグルとかわざわざかけてくれなくていいから。空気ボンベの口をくわえさせてくれなくていいから。手のかかる子供みたいで凄く恥ずかしい。ほら、承太郎。自分のおじいちゃんの手伝いにいけよ。あっちは腕がないんだぞ?え、嫌って?おい



「にしてもナマエちゃんどうしたんだろう。外傷はないようにみえるが何らかのダメージを受けてるのは間違いない」


「ああ。ナマエ大丈夫か?元気ないお前なんてらしくないぜ?」


「ぁ、」


「無理することはないぜナマエ。約束通り俺が守ってやる」


「ふむ、ナマエのことはこの場を抜けてからスピードワゴン財団に見てもらう。外傷がなくとも何かしら内部に攻撃を受けたのかもしれん」


「ハイプリエステスにそのような攻撃があったとは思えませんが陸に上がったら彼女は確かに医者に見せるべきです。取り敢えず先にこの窮地を脱しましょう」



典明から始まり皆が私を気遣う声をあげる。いや、心配してくれるのは嬉しいがもうしゃべれるくらいは回復してるぞ?しゃべれないのは空気ボンベの口をくわえてるからです。物理的にしゃべれないんです。見てわかれよ。まあいいや。後で説明しよう。これからスキューバダイビングしてる間はやっぱり役立たずになるのだから今無事を伝えても意味ない。どうせお世話になるわけだし。というわけで承太郎さん頼みましたよ?お願いだから見捨てないでね?

水中でのジェスチャーを決めとこうというジョースターさんにポルナレフが俺も1つだけ知ってるぜという。そしてパンツーマルミエをするポルナレフになんでフランス人のお前がそんな日本のマイナーなジェスチャーを知ってるのか問い詰めてみたい。お前フランス人とか嘘だろ。人種はフランスだけど実は日本育ちだろ。そして典明が悪のりしてビシバシグックとポルナレフに賛同する。原作でもこの光景はあったからやるのは知ってたけど想像以上に圧迫感を感じます。巨漢な男二人がじゃれたら当然そうなるよね。なんだろ、見てるだけだけどMPが大幅に減ったわ。花京院とポルナレフは不思議なおどりを踊った!ナマエのMPが10減った!って感じだ。お前ら暑苦しいわ!

そもそも皆スタンド使いなのだからスタンドで話せばいいのでは?とアブドゥルさんがいう。確かにそうだと皆頷いた。え、私はどうすればいいの?まあ水中で喋る余裕なんてないか。じゃあいいか。

全員ダイビングの用意が出来たのでジョースターさんが室内に水を入れ始める。なんかここで事件が起こった気がするけどまあいいや。確かポルナレフだったし、どうせポルナレフだし。

室内が水で満たされた瞬間ポルナレフが暴れだした。空気ボンベの口に化けてたハイプリエステスに襲われたのである。やっぱり事件が起こったか。頑張って下さい。私はそれどころじゃないんです。海だめ死ぬ

典明とジョースターのスタンドでポルナレフの体内に入ったハイプリエステスをなんとか追い出すことに成功したがハイプリエステスは次に水中銃に変身して襲ってきた。承太郎に抱えられ私は外に出る。ハイプリエステスの追撃から逃れられたようだ。

皆で泳いで陸地を目指す。私は承太郎の腕の中でだらりと四肢を投げ出す。すごく無気力だ。話しかけられても返す気になれない。返事がない、ただの屍のようだ。状態です。

アブドゥルさんが海底トンネルが見えた。もうすぐ陸地だ!と嬉しそうにいう。海底トンネル?確かそれ罠じゃなかったっけ?と思うまもなく海底に化けてたハイプリエステスが姿を表し私達を呑み込もうと吸い込んだ。

その海流の流れに逆らえずハイプリエステスの口内に閉じ込められる。私は海から出られて少しだけ一息ついた。おえ、海マジつらたん。

ハイプリエステスの本体ミドラーが『承太郎、貴方は私の好みだから殺すのが惜しいわ』という。この言葉を聞いてポルナレフが悪巧みする。このタイミングでそれを思い付くこいつは本当にバカだと思う。しかも役に立たないし。ポルナレフは本当にいい仕事をしない。

ポルナレフに乗せられた承太郎が『俺もあんたの顔見てみたいぜ。恋に落ちるかも』と言い出した。どうしよう、面白ろすぎる。耳元で聞こえてきたその言葉に心の中で爆笑する。どんな顔でこんなギザなセリフいったのかすっごく興味あるわ。と思って顔をゆっくりあげると承太郎と視線があった。え、なんで承太郎と視線があうの?まさかここまで承太郎に助けられてたくせに承太郎の決めセリフ笑ってたのがバレた?いや、その、ごめんなさい承太郎さん。恩知らずですみません。本当に悪かった。だからここで見捨てないでください。見捨てられると死にます。

承太郎とへびに睨まれたかえるのごとく見つめあっていたら典明たちもミドラーに告白劇を始めた。全員やるのか、なんか珍劇見てる気分です。にしてもお前ら大根役者だな。全然心に響きません。案の定ハイプリエステスが怒って攻撃してきた。

攻撃を受けて承太郎が飛ばされる。ちなみに私は承太郎に投げ出され典明のハイエロの触手に受け止められハイプリエステスの攻撃を受けずに済んだ。有言実行さすが承太郎、庇ってくれてありがとう。でもあともう少し優しく投げてくれたら嬉しかったです。空中に放り投げられた時はマジびびった。

飛ばされた承太郎はハイプリエステスの奥歯に挟まる。そのまますりつぶされそうになった承太郎だがハイプリエステスの歯を根元から折り窮地を脱した。

ついでに承太郎はハイプリエステスの歯をすべて折り皆でハイプリエステスの口内から逃げ出す。ちなみに何故か承太郎は戻ってきて典明の手から私を回収しに来た。いやもう敵倒したし守ってもらうところもなくね?君って変なところ律儀だね。まあ最後までお世話になります。

ということで女教皇編は終了です。ポルナレフがミドラーの顔を見に行ったけどノーコメントと感想をいうのを控えた。まあどんな美女だって歯が抜けたら間の抜けた顔になるもんな。御愁傷様です。よい歯医者さんを見つけてください。

そしてなんで私が海中で死んだ魚のようになっていたこか説明を求められ遂に私の弱点が海及び水であることがバレてしまった。自分の弱点を晒すのは凄く不安だ。ポルナレフ、特にポルナレフ!お前ら絶対に私の弱点誰にも言うなよ!私がいかに海中で役に立たないかわかっただろ?本当にやめてね。絶対にやめてね。何故か承太郎は終始ご機嫌だった。なんでだろ?まあいいや。ともかくエジプトに着きました!ここからは9栄神とかいうさらに厄介な奴等が刺客としてやってくるから気を付けねば!数多の敵を退けDIOを倒し典明の死亡フラグを粉砕するぞ!私はやるぞ!絶対に勝つぞ!ここまで頑張ってきたんだ典明は絶対に死なせないからな!

そんなわけでエジプト編が始まったのだった。




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