ジョジョ3

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「私は乗らないよ。絶対にそれだけは乗らないからね!」



「どうしたんじゃナマエ?何か不都合でもあるのか?」



「何我が儘言ってるんだよナマエ。早く乗ろうぜ」



私の猛反対にジョースターさんは困惑の声を上げポルナレフは手招きし私を潜水艦に乗せようとする。嫌だそれだけは絶対に嫌だ!その潜水艦だけは絶対に乗らないぞ!

だってその潜水艦絶対に沈むじゃん!!


ポルナレフとアブドゥルさんがカメオを倒しいよいよエジプトも目前というときにジョースターさんが選択した航路は海、しかも潜水艦だった。

潜水艦だよ潜水艦!どう見てもこれから女教皇編が始まりますね。これはヤバいすごくヤバい。何故なら女教皇編は海中戦なのだ。うぎゃー!

皆もご存知の通り私はスタンド使いではなく悪魔の実の能力者なのだ。海中では泳ぐどころかまともに動くことすらできない。ただ沈むだけです。そんな私が海中だろうが構わず襲い来る女教皇から逃れられると思うか?どうみてもデスエンドです。かつてないレベルのピンチです。私の生存が危ぶまれるという点ではDIO戦より危険だ。というわけで私は潜水艦なんて乗りません。1人で空を飛んでエジプトに向かいます。



「ナマエちゃんどうしたんだい?これからエジプトに行くんだから何かしらの移動手段は必要だろ?潜水艦なら敵にも見つからないだろうしいいと思うんだが何が嫌なんだ?」


「だってどう考えても沈むじゃん!今までの旅を振り返ってみなよ?飛行機にしろ車にしろいつも敵のスタンド攻撃を受けてぶっ壊されただろ?この潜水艦も廃棄させられるに決まってる。私海中戦は無理なんだって!海はダメだって!1人で空から行きます。ではアディオス!」


「オラ待ちやがれ。お前を1人で行かせるわけないだろ。危険すぎる」



バッと飛び上がろう飛び上がろうとした瞬間承太郎に手を掴まれた。風になれば振りほどけないことはないけど流石に感じ悪いので留まる。いやいや!私が1人で空を行くより絶対に潜水艦でエジプトに渡る方が危険だから!だってハイプリエステスは空飛べないけど海中での活動はできるんだもん!こっちは海中は味噌汁の中のワカメのように漂うしか出来ないのにだぜ?少なくとも私に勝ち目はない。なので承太郎さんお許し下さい。マジで空から行かせて後生だから!



「私泳げないんだよ!海本当にダメなんだよ!敵スタンドの攻撃受けて潜水艦が沈んだら真夏の炬燵より邪魔で役に立たなくなるんだぞ?そんなのただの粗大ごみじゃん!というわけで私は空飛ばせてください。体力的な問題は大丈夫、私3日間不眠不休で飛び続けたことあるから!」


「なんでそんな経験があるのかはしらんがやっぱり駄目だ。単独行動なんて許さねえ。俺がお前を邪魔に思うことなんてないしもし本当に潜水艦が沈んだら俺が守ってやる。だから俺の手の届かないところにいるんじゃねえ」


「え、マジで?」



承太郎の言葉に思わず聞き返す。本当ですか?マジですか?守ってくれるんですか?そりゃ世界最強(予定)のスタンド持つ空条承太郎様に守ってもらえるならこれほどまでに心強いことはない。世界一の安全圏です。本当に守ってくれるの?と聞けば承太郎はああ、と力強く頷いた。おおっ!じゃあまあ潜水艦乗ってもいいや。承太郎が助けてくれるという言質も取れたしなんとかなるだろう。ただし嘘だった場合は覚悟していただこう。末代まで呪ってやるからな承太郎!

というわけで潜水艦にレッツゴー。中に乗り込んだ。潜水艦の中はそれなりに心地よくなんとなくキャプテンのところにいた時代を思い出す。でも窓の外を覗いても巨大な海王類と目があったりはしませんね。もちろん素晴らしいことです。海に危険が少ないことはいいことだ。

ポルナレフが子どものように無邪気に潜水艦の様子にはしゃいでいる。窓の外見たり操縦席に座ったりと大忙しだ。知ってるか、こいつ私たちより年上なんだぜ?威厳というのが年齢に比例しないのがポルナレフを見ているとよくわかります。

それでもこき使われるのが年下というもの、典明とともにお茶くみに勤しむ。そうこうしてるとジョースターさんがいきなり電話を手に取った。今から電話をかけるらしい。とても重要な人物に電話をかけるから静かにしてほしいというジョースターさん。今の段階で電話かけないといけないほど重要な人っていたっけ?スピードワゴン財団?特に逆らうこともないのでコーラを持ってテーブルに行きお口を閉じる。ジョースターさんの電話の相手はスージーQだった。わお。奥様へのお電話でした。それは大切です。夫婦仲をよくするためには欠かせないアプローチです。ただでさえジョースターさんは仗助という爆弾を抱えているのだから妻にはサービスを忘れないようにしないと。おっとこれはネタバレでした。お口チャックします。

妻に尻にひかれる夫をイメージしてにやにやしながら二人の会話を聞いていただが予想と反してジョースターさんの言葉には重みがありスージーQとホリィさんを気遣うものだった。その言葉には娘を救い平穏な日常を取り戻そうというジョースターさんの決意が込められていた。ホームコメディ見る気持ちでニヤニヤしていてごめんなさい。典明やポルナレフが自分たちもいるから頑張ろうという。私の主な目的は花京院の死亡フラグを折るためだがこの旅の本来の目的はホリィさんを救うことだ。私も気を引き締めて頑張ろうと決意する。頑張ろう、女教皇戦終わったら。すいません次回から頑張るので今回は勘弁してください。海中戦は無理。

それからしばらく時が経つ。潜水艦を操縦したいというポルナレフがハンドルを握って船体を海底にぶつけるとか小さなアクシデントもちらほらあったが無事エジプト大陸まで来れたらしい。アブドゥルさんが陸が見えたぞ!と叫ぶ。

おお!よっしゃー!ついにエジプト大陸についたんですね!DIOのいる土地についたんですね!まあそれに関してはラスボスとの遭遇が近づいていると考えると微妙な心境になるのだがそれでもエジプト大陸についたのは素直に嬉しい。それが目的でここまでやってきたのだから達成されるのは本当に嬉しい。

さあここまで来たらあと少しだ!と思ったところではたと気づく。あれ?ハイプリエステス何処行った?確かエジプト上陸までに攻撃を仕掛けに来たと思うんだけどまだ姿を現しません。ひょっとして原作変わった?ハイプリエステスこないの?こないならこないにこしたことないのでそれでいい。典明にコーヒー淹れたからナマエちゃんもおいでといわれたのでテーブルの方へ向かう。机の上にはカップが7つあった。



「おい花京院カップが1つ多いぜ」


「おかしいですね。数を間違えましたか」



その言葉にコーヒーカップに伸ばしかかった手がピタリと止まる。・・・この展開みたことあるぞ?そうだ思い出した。ハイプリエステスは確かこのコーヒーカップの1つに変身して攻撃を仕掛けてくるんだった。うわっ、なんていうことに気付いちゃったんだろ。いや気付いた方がいいんだけど、気付かなかったら命賭けのロシアンルーレットに参加するはめになってたからそれはいいのだけれども今から戦闘が始まることを理解してげんなりする。結局来るのかよハイプリエステス。とりあえず選ぶと命がぶっ飛ぶかもしれないコーヒーカップに近付きたくなくて思わず一歩後ろに下がる。その瞬間ジョースターさんの持っていたコーヒーカップがいきなりジョースターさんに襲い掛かった。



「なんじゃこいつは!」


「危ないジョースターさん!」



ハイプリエステスは素早く正体を現すとジョースターさんの義手をあっさり切り落とした。ジョースターさんはその衝撃で気絶してしまう。ハイプリエステス強ええええ!!遠距離型スタンドのくせにこんなに速くてパワーあるのはズルいだろ!まあその代わり可愛くはないけどね。スタンド本体が女性なのにこの顔はどうよ。

気絶したジョースターさんを典明が抱える。さてハイプリエステスが現れたということは非常にヤバい。何がヤバいかというとハイプリエステスはこの潜水艦に穴をあけて入ってきたのだ。というわけで今からこの部屋にはそう時間を置かず海水が流れ込んでくる。しつこくいうが私は海水は駄目だ。能力者にとって海は天敵なのだ。このままでは私は力が抜けて敵の前で無防備になること間違いない。それは普通に死ねる。ただでさえ厄介な敵なのにこっちから反撃も出来なくなったら死ぬしかない。

だが私だって無力ではない。なんの手立ても打てずただヤられるだけだと思ったのかねワトソンくん?ふふふ、君、私を舐めてもらったら困るねぇ。ふうふうの実の利用法の1つに自分の周りに空気を纏わせて外部の干渉を遮断するやり方がある。

最も風を纏っただけだから防御力は紙並みだし風弾や風刃も撃つと纏った風がなくなるため撃つことができない。普段何もないところで使ったとしても何の役にも立たないこの力だがある環境では絶大な効果を発揮する。

それはズバリ海中だ。あまり長い時間は酸素なくなるので活動できないし動きも俊敏ではないけど空気を纏わせることによって周りの海水を遮断できるのだ。ワンピースの世界でケムリン助けるためにやったよね。アレのことた。海中戦は無理だが逃げることくらいはできるよ!というわけで潜水艦が沈没したら私はさっさと逃げることにしよう。スキューバダイビングすらできない私なんてここにいても邪魔なだけだろ?よし、早速周りの空気を集めて遮断膜作ろうとした瞬間ザバーと私の上から何が降り注いだ。え?なにごと!?



「潜水艦に穴が!?ちくしょうあのスタンドは潜水艦に穴をあけて入ってきやがったんだな!」


「ナマエちゃん大丈夫!?」



ポルナレフの声に私の上に降り注いだものがハイプリエステスによりあけられた穴から流れてきた海水だと悟る。ああ、なるほど。原作知ってたけどどこに穴あけられるまでは知らなかったけどここだったのか。理解した。そろそろ倒れていいですか?

頭から水浸しにされた私はその場に倒れる。もう指一本動かせません。というわけでミョウジナマエは戦闘不能になりました。


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