ジョジョ3

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ヤプリーンで一夜宿をとり朝みんなに挨拶に行くとやけに花京院の顔色が悪かった。本人は夢見が悪かったと言っているのでこれはもう間違いなく死神13が来ているよ。死神13は私にとって恐ろしい敵だ。なぜなら死神13の攻撃方法は特殊攻撃、つまり私の風の能力ではまったく防げないのだ。

死神13は相手の夢の中に忍び込み精神を攻撃して命を奪うスタンドだ。そして夢の世界は死神13の独壇場、この中ではスタンドを出すことはできす一方的に蹂躙されるのみだ。ただし死神13にも弱点がありそれは寝る前にスタンドを出しておけば夢の世界にスタンドを持ち込めるというのだ。死神13スタンド自体は強くないからこのことさえ知っていれば怖くない、こわくないのだが、

…私スタンド持ってないんだよね。精神世界で風になることなんてできないしオワタ。どうやっても私は死神13には勝てないんですけど?いや、寝る前に本体である赤ん坊をやってしまうという解決法はあるがそんなことすれば命が助かってもヒトデナシの称号を受けるのは間違いない。そんな社会的に死ぬようなことはしたくない。

最高なのは死神13を飛行機に乗せないということなのだけれども熱のある赤ん坊を見殺しにするというのも非人道的だしどうみても乗せないという選択肢はない。いやもう典明の活躍に期待することにする。頑張れ典明!

ジョースターさんがセスナを購入しみんなでセスナに乗り込む。ポルナレフが喜々と上空ならスタンド使いは追ってこれねえだろうしあとはこのセスナ本体がスタンドじゃないかだけだがそれも調べ済みだ。これで優雅な航路を楽しめるぜ!といいだしたがこいつは本当にフラグを立てるのがうまい。もちろん優雅な航路なんてきませんよ?だってこのセスナ墜落しますから。スタンド使いは追ってきませんがもう乗り込んでるのです。この赤ん坊本当に天才だよな。なんでこの年でそんな知能があるのだよ?将来は天才科学者か何かですか?殺人鬼になるのはもったいないからやめなよ。

というか今言いながら思ったんだけどセスナ墜落って防げるんじゃね?適当なところで花京院とポルナレフ起こせばそれでいいんだもん。なんだ、簡単じゃんか。やはりここは快適な空路を行きたいので花京院とポルナレフは早めに起こそう。そもそも寝かせなかったら済む話じゃないのかって?いや夢の世界に疑問を抱いてもらわないと今晩みんな死神13にやられてDEATH ENDになるのでそれはダメです。申し訳ないが二人には悪夢を見ていただこう。ではおやすみ


「ジョースターさん、すまねえが30分ほど眠らしてもらうぜ」

「おお、かまわんよ」


そういうとともに二人は夢の世界に旅立った。飛行機の揺れが心地よくて私も寝たくなるがデスドリームはごめんなので頑張って目を開かせる。命かけてまで眠りたくないです。

しばらくしたらもわっとした臭いが室内に漂ってきた。赤ちゃんがおもらしをしてしまったらしい。赤ちゃんなのだから仕方ないとわかってるが自分たちを殺そうとしている赤ん坊のおしめだと全くやる気が出てきません。これ私に母性がないわけでないよね?人として当然の感情です。



「オーノー。どうやら赤ん坊が漏らしちまったらしいな。ナマエ、できるか?」


「やったことないですしさすがに一人だと不安です」


「そりゃそうじゃの。じゃあポルナレフを起こしてくれんか?奴に手伝わせよう」


「了解ですボス!ポルナレフを起こします!」


ジョースターさんおしめの替えができるかと言われたが赤ちゃんのことが好き嫌いにかかわらずやったことないでできるかわからんと言ったらポルナレフに手伝わせろと言われた。ポルナレフをこき使うのに不満など全然ないのでその通りにする。起きろー、ポルナレフぅー



「ポルナレフの奴を起こさなくても俺が手伝ってやるぜナマエ。そのまま寝かせとけよ」


「いや位置的に承太郎には手伝わせにくいしいいよ。ポルナレフにやらせる」



ポルナレフを起こそうとしたらまさかの承太郎から静止の声がかかった。え、承太郎が手伝ってくれるの?意外ッ!なに?承太郎って子供好きなの?こんなことすすんで手伝おうなんてよく思えるな。いいパパになれると思うよ。徐倫を大切にね

さて、残念ながらポルナレフを起こさないという選択肢はない。ここで起こさないとポルナレフは永遠におやすみになってしまうのだよ。こんなやつだけどいなくなったら寂しいしこれからの戦いにおいても必要な人なので死んでもらっては困る。ということで起きなさいポルナレフ!いつまで寝てるのだよ!



「おはよう、ポルナレフ。目覚めはどうだ?」


「あ、ああ。おはよ。気分は最悪だぜ。なんか悪夢を見てたみたいだ」


「そうか。赤ん坊のおしめを替えたら好きなだけ続きをみてかまわんからさっさと替えてくれんか」



そういって起き上がったポルナレフの顔色はとても悪い。直前まで殺されかけていたのだから当然だろうけどそれはそれ、これはこれ。お仕事手伝ってくれ



「だいたいなんで俺が赤ん坊の世話なんてしないといけねえんだよ。こういうのは女のナマエの役だろ?」


「男女差別反対!今どきの男は育児くらいできないともてないぞ?少なくても私は自分の旦那がまったく育児を手伝ってくれなかったらいやだね!ほら、人生の伴侶ができたときに捨てられたくなかったらポルナレフも手伝うべきだ!」


「日本の女性は黙って男を立てるんじゃなかったのかよ。まあナマエのいうことも間違っちゃいねえな。わかったよ。やるからここちょっともってくれね?」


「了解!」



そんな感じでなんとかポルナレフを働かせて赤ちゃんのオムツを変える。布オムツだしそもそもおしめ変えたことないし勝手がわからなくて難しいな。どういう風にこの布巻き付ければいいんだ?



「…俺にも手伝わせてくれ」


「え、別に承太郎はいいよ?二人もいれば人では足りてるし座っといて大丈夫だよ?」


「いや、手伝わせてくれ」


「そうか?じゃあ赤ん坊持っててくれ。ピンで止めたいからナマエは布を押さえといてくれ」


「はーい。了解」



なんだかんだいって承太郎も赤ちゃんのオムツ替えに参戦してきた。こんな積極的な承太郎初めて見たかもしれん。そんなに子供好きなのか?なんでこいつ未来で離婚するんだろ?めっちゃいいパパになるとように見えるんだけどわからんな。まあ結婚はしてみないと互いの本質を知れないというし他人の事情について考えたところで理解できないしいいよ。それより私の白馬の王子さまはいつ現れるのですか?もちろん出てくるのは元の世界に戻ってからでいいですからね

さて、そろそろ典明を起こさないとな。セスナが墜落してしまったら砂漠で夜を越さないといけない。あんな暑くて寒い思いはもうたくさんなのでセスナは墜落してほしくない。よしじゃあラリホー!起きろ典明!

…って、あれ?典明の腕に“BABY STAND”の文字がないぞ?これってセスナ墜落してから書かれるんだっけ?え、うそ。困った。この文字が書かれたからこそ典明はスタンドについて確信を得るのにそれがなかったらまずくない?え、どうしよう。起こすべき?起こさないべき?

なんてグダグダ迷ってたら花京院が暴れだした。私の体を貫通してジョースターさんに蹴りをさく裂させる。うわああああっ!こわっ!なんて鋭い蹴りだ!これ私が風人間じゃなかったらあばらくらいはイってかもしれんぞ?風人間でよかった!物理攻撃効かない体質でよかった!!

が、状況は全くよくない。飛行機は地面に向かって真っ逆さまに落ちていってる。あ、だめだこりゃ。どうみても墜落コースです。ジョースターさんがわしはパニックをしらん男とか言ってるけどもう地面にぶつかります。まあ何とかなるのは知ってるけど一応風になれる準備はしとく。痛いのも死ぬのも嫌です。

ハーミット・パープルで操縦し飛行機はなんとか持ち直した。みんなで歓声をあげるがジョースターさん、よそ見はしないでください。ほら、前!前見て!

ぐんぐんやしの木が近づいてくるのを見て私は体を風に変えた。やっぱりこうなるらしい。

セスナは砂漠のど真ん中、やしの木にぶつかって墜落したのだった。




必要な物資をヘリコプターから運びだし野宿の準備をする。今夜は砂漠で夜を明かすらしい。幸い無線はいきてるからSOSを打つことになった。DIOに居場所知られたくないが赤ん坊のためには仕方ないというジョースターさん。赤ん坊のためだと思うと全く救助信号を打ちたくなくなるけど私としても救援は来てほしいのでそこは黙秘する。砂漠横断はもう嫌です。

典明はあからさまに落ち込んでいた。まあこの墜落は何もしらない人からみれば典明の奇行によるものとしか思えないから気落ちしてしまうのも無理ないが全部赤ん坊のせいです。典明は全くわるくありません。やっぱり起こした方がよかったな。ごめん



「おい承太郎、ナマエ。花京院の奴かなり精神がまいってるようだが大丈夫か。これからの旅を続けられるのかな」


「おいこら。なんてことをいうんだポルナレフ!今までどれだけ花京院に助けられてきたと思ってんだよ。もっと信頼しろよバカ!典明は絶対に旅に必要だからな!ポルナレフがいなくても典明は必要だからな!それにもし典明が精神的ダメージを受けてるならこういうときこそ支えあうのが仲間だろ?お前は何のためにお調子者のキャラをやってるんだよ?このためだろ?わかったら場をもりあげるためのジョークの一つでも言えよ」


「そう噛みつくなよナマエ。お前が花京院のこと好きなのはわかったからさ。まあお前の言うこともわかるしこういう時は年上の俺が気の利いたことを言うべきなのかもしれないが、花京院が本当に精神的に疲弊してるのなら日本に帰してやるのがやさしさかもしれないんだぜ?このまま旅に同行させたらあいつのためにならんかもしれん。そこんとこ逆にお前はどう思う?」


「お前こそ逆に考えろよポルナレフ。典明が、あの典明が精神的にやられるなんてそれこそおかしいと思わないか?典明がやばい状況に追いやられるような何かが起こってると考えるのが正しいんじゃないのか?」


「何かってなんだよ?」


「そりゃこんな状況なんだから当然スタンド攻撃に決まってるだろ。典明はスタンド攻撃を受けてるんだ」



そう言い切るとポルナレフはケラケラと笑い出した。ナマエも疲れてるみてぇだしさっさと寝ろよと言ってぽんぽんとポルナレフが私の頭を叩いた。こ、この野郎!せっかく人が教えてやったのに!!

死神13に関して私自身は何もできないからせめてこっちの戦力をあげれるようにと死神13を認知できる人物を増やそうとしたらポルナレフは全く信じてくれなかった。お前も一度は死神13の夢の世界に行ったんじゃなかったのかよー!くそ、ポルナレフなんか夢の中で髪型のデッサンが狂って泣けばいいんだ!

だめだ、どうやら人選を間違えたらしい。やはりここは安定と信頼の承太郎に聞こう。承太郎、君はどう思う?



「承太郎、君は典明のことどう思う?私は今の状況がただ事ではないと思うんだけど君の意見を聞かせてほしい」


「・・・」


「え、なに承太郎?」


「てめえは随分花京院のことが詳しいじゃねえか」



そういうと承太郎はぷいっと顔を背けて私の横を通り過ぎていってしまった。私は視界から消える承太郎を見て呆然とする。え、承太郎今怒ってなかったか?なんで怒ってるの?本気でわからん。今の会話のどこに承太郎の怒るポイントがあったのだよ。解せぬ。解せぬけど取り敢えず困ったのが状況がまるで改善していないことだ。え、この死神13戦どうなっちゃうの?


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