ジョジョ3
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車に乗り国境に向かう。ジョースターさんが指名手配されなくても行くのは陸路なのね。いやもうわかったよ。原作はそう変わらないということか。まあどうせスタンド使いは全員相手しないといけないんだし原作通りの方が安心なのでその通りにしよう。車でパキスタンに向かいます。
車だから寝てようと思ってたのに予想以上のポルナレフの運転の粗さに吐きそうになる。ちょ、お前他の車無駄に煽んなよ。トラブルは嫌なんだって!ただでさえ危険な旅路なんだからスタンド使いがいない時くらいゆっくりさせてくれ。
そんな私の呟きはまったく聞こえてなかったらしく車は急停止した。い"っ、頭打った。おのれポルナレフ!貴様そんなに私の平穏な旅路を邪魔したいのか!よろしい、ならば戦争だ!我が風の残像(クリアビジョン)の力を受けてみるがいい!!!
と思ったらポルナレフが口をパクパク開閉させなにやら訴えてくる。なんだよ、遺言か?まあ聞いてやってもいいよ。ただしポルナレフランドとかいうふざけたものを作れとかだったら即妹の元に送ってやる
「なんですかポルナレフ!いい加減にしてください!」
「違うって!あれ見ろ!」
そういってポルナレフが指さす先を見る。ゲッという音が喉の奥から漏れた。
ポルナレフの指す方向には帽子を被った子供が立ってた。そしてその子はこちらを見ると帽子を取りにかッと笑いながら手を振る。
「よっ!久しぶりー!せっかくだから乗っけてってよ!」
もうわかるだろ?3部の数少ない女子枠の1人、密航少女ことアンちゃんだ。なんでこんなところにいるの?ここインドですよ。こんな広い異国の地で再び知り合いに会うのってどんな確率なんだろう。もはやアンちゃん何かのスタンド使いじゃないのか?ほら、承太郎追跡型スタンドとか。
このまま放っておくわけにもいかないから乗せることにした。アンちゃんを乗せたからただでさえ狭い車内がめちゃめちゃ狭い。ちょっと承太郎もっと詰めてくださいよ。承太郎への密着具合がヤバイ。そしてこいつ硬い。おまえの全身筋肉か。アンちゃんが羨ましそうにこちらを見てくるが代われるならかわりますよ?居心地悪いし是非ともアンちゃんと席代わってあげたい。ちなみに承太郎は地味に機嫌がいい。車内の女子率が増えて喜んでるのだろうか?このムッつりがッ!やばい、承太郎のロリコン疑惑が本格化してるぞ
暫く走ってると後ろから車が追い上げてきた。よく見るとさっきポルナレフが小石ぶつけた車だ。確かあれって敵スタンドなんだよね。うええ、ポルナレフ無駄に敵スタンド煽んなよ。取り敢えず道を譲ることにする。本当は譲らない方がよいのだがいい言い訳が思いつかないのでそのまま待機。確かこのあとは全部アクションカーレースと化してくんだよね。どうしよう、今すぐ車から降りたいです。
私達を追い抜いた車は前につくとスピードを落とし嫌がらせを始めた。まあポルナレフの運転ムカつくもんね。これくらいやりたくなるわ。気持ちはわかる
皆がイライラし始めた頃前の車から腕か出て先にいくように合図される。ポルナレフは上機嫌で前の車を抜かそうとするがこの後の展開を知ってる私は取り敢えず風化の準備をしておく。うん、これで何があっても死なないね!でも何もないほうが嬉しいです!
ポルナレフがハンドルを切った瞬間目の前に大型のトラックが現れた。皆叫んだ。私も叫んだ。知ってても怖いぃぃぃーー!!やばい!死んだ!
「きゃあああああっ!!」
「うわああああああーー!!!」
「ひぎゃあああああっ!!!!」
視界いっぱいに迫り来るトラックに私は恐怖から思わず隣にあるものを掴む。うぎゃあっ!マジぶつかるぞ!スタプラさんの出撃はまだですか?早くしてくれ!
「承太郎!スタープラチナ!」
「な、ナマエいきなり抱きついてくるんじゃねえ!」
「え、あ、ごめん」
私が掴んでいたのは承太郎の腕でした。どうやら私が邪魔でスタプラ出せなかったらしい。本当にすみませんでした。みんなの命脅かしていたの私かよ。真剣にすまんかった。
慌てて手を離すと承太郎はスタプラ出してオラッとトラックをぶっ飛ばした。罪のない運転手よ、すまない。恨むならポルナレフと敵スタンドを恨め
「ふう、ヤレヤレ。なんとか回避できたようじゃ」
「危なかったですね。さっきの車はもう追い抜いていったんですか」
「くそっ、あの野郎。ぶっ飛ばしてやる!」
トラックとの衝突を避けられたので皆一息ついた。まあスタプラ様いなかったら本気で終わる展開だったもんな。危険度上げてすまん。承太郎にはもう一度謝っておこう
「承太郎、ホントごめん。スタンド出すの邪魔するようなことして」
「別に気にしてないぜ。だからお前も気にするな」
「ヤバい、承太郎が優しくて感動した。これからは邪魔しないように一切合切なるべく承太郎に触れないようにするよ。ありがと」
ちょっとビビりながら謝ったら承太郎は普通に許してくれた。別に怒ってもいないっぽい。おお、よかった。承太郎って女子にも厳しいイメージあったから怒鳴り付けられるかもと思ったよ。なんだ優しいじゃん。前から思ってたけど承太郎って結構私に好意的だよね?私の記憶にない幼なじみ補正って奴が効いてるの?わからんけど承太郎が友好的に接してくれるのはラッキーだ。だって承太郎と1から仲良くなるとか無理だもん。近寄れるタイプの人間じゃないよ。神様は珍しくいい仕事した。サンキュー
でも何故か承太郎の表情が暗くなった。なんでだ?もしかして承太郎もポルナレフの運転酔ったのか?だからあれほど運転には気を付けろといったのに。ポルナレフの他に運転できる人いないの?もちろんゲーム脳の典明は除く。ジョースターさんは歳だし占い師のアブドゥルさんが車ブイブイいわせるイメージないし承太郎は勿論年齢が足りない。そうか、いないのか。このチームの敗因はポルナレフしか運転できなかったことだな。
しばらく行くと休憩するところがあったので皆で一服することにする。サトウキビを搾ってレモンをかけるサトウキビジュースがおすすめだと言われたがサトウキビって砂糖の原料じゃん。めちゃくちゃ甘そうだな。いやでも案外おいしいのか?食わず嫌いはよくない。私もいただこうとした瞬間ジョースターさんが叫んだ。なんだろうと思ったらさっき私らにトラックをぶつけようとした車がいた。あちゃー
中には誰もいないのでジョースターさん達はカフェにいる奴等全員ボコボコにしてやると言い出す。いやいやそこには本体いませんから。本体はきっと車の中にいるんだよ。だからポルナレフは悪意と逆恨みをこめた拳をイケメンに向けるんじゃない。僻みか。
そうこうしてる間に車は走りだし行ってしまった。おちょくっているような行為にただでさえ短気なポルナレフがプッツンきた。追いかけるぞというポルナレフ。私としてはあれは敵スタンドだし全くもって追いかけたくないのだが追わなければいつまでも追ってくるので原作通り片付けとくべきなのかもしれない。ということで車を追う。
花京院のあれ?おかしいな道間違えたかな?というつぶやきを聞きながら車を追っていくと行き止まりになってしまった。目の前には吊り橋と崖しかない。え、あの車どこいったの?といった瞬間後ろからガンッと何かにぶつかられた。消えたはずの車が後ろから現れたのだ。
ポルナレフは持ち堪えようといろいろ操作したがどんどん押し込まれていく。まあただの車とスタンドでは馬力が違うもんね。仕方ない。だがポルナレフ、お前が一番先に逃げ出そうとするのは全然仕方なくないぞ。騎士道精神の名のもとに私らが脱出するまで踏ん張りそして散っておいてくれよ。ポルナレフが役に立たなかったから車は崖から落ちました。ノォォォーーー!!
が、花京院が機転を利かせワイヤーのフックを相手の車にひっかけた。なんとか地面との激突は避けれたがまだまだ不安定な状況だ。宙ぶらりんの状態で車がぐらぐら揺れてて怖いよー。マジ助けてくれ。え、なんで一人だけ脱出して逃げないのかって?車のドアに近い位置をダブルJOJOが陣取ってて逃げれないのです。カーチェイス始まるの知ってたんだからドアに近い所陣取ってればよかった。反省してる。次回はちゃんとドアに近い所に座ろう。次回があるのも困るけど
「なあ花京院、ナマエ。お前ら相撲は好きか?」
「え、」
「ええ、もちろん好きですよ」
いきなり話振られて思わず言葉に詰まる。なんで花京院はそんなあっさり反応返せるの?風になれて地面に激突しても死なないってこともないのにお前ら余裕ありすぎだろ。主人公組の精神力が怖いです。
が、空気読めるナマエちゃんもすぐさまモチロンスキデスヨーと返しておく。片言なのは許してくれ。私には車をワイヤーで吊られた空中ブランコ中に落ち着けるだけの精神力はないので。
その後すぐに『土俵際の駆け引きは手に汗握るよな』といいながら承太郎がスタプラ様出してオラぁとワイヤー引っ張って崖上の車を引きずり落としその反動で自分たちの車を崖上に戻した。改めてスタプラ様のすごさを思い知ったよ。車一つ引きずり落とせるとかどんなパワーしてるの?主人公だからといってもチートすぎないか?
相手の車は崖の下に落ちていったが残念なことにこれで終わりではない。アンちゃんのどうしてあの車は回り込むことができたのだろう?という質問に答えるかのように車のラジオが反応した。
そして自分が運命の輪(ホウィール・オブ・フォーチュン)であることを名乗ると地面から這い上がってきた。はい、第2ラウンドの始まりです。
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