ジョジョ3

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原作いつ始まるんだろなーと思ってたら来たよ来たよ。

承太郎がいきなり階段でこけたと思ったら赤髪の美青年が承太郎に近づき手伝いハンカチを渡した。

あの揺れる特徴的な前髪はどうみても花京院ですね。ついにDIOの攻撃が始まったのか!

マンガで見る花京院もかっこよかったが実物の花京院も中々のイケメンである。茜色の髪に甘いマスク、その中性的な雰囲気からはどこか儚さが感じられて流石3部のヒロインと言われし男と納得せざるを得ない美形である。承太郎とは違う種類のイケメンだ。承太郎と並ぶ姿は眼福ものである。

承太郎は自分にハンカチを渡し去ろうとする花京院を引き留めた。おそらく本能的にそうすべきだと思ったのだろう。君は動物か。あってるよ。花京院は現在DIOの刺客です。そのハンカチの中には君への挑戦状が書かれているんです。承太郎は感がいいですね。スタプラだけでもチートなんだからそれ以上ハイスペックにならないでください。

花京院はいちゃもんつけられながらも去って行った。去り際までイケメンであった。


そして女の子達は承太郎か花京院かどっちがかっこいいか議論を始めてしまった。だいたいの女の子は承太郎派らしい。君たちMなの?どうみても厳つい承太郎よりもスマートなかきょうい、と思ったところで承太郎が振り向いた。お前エスパーか。



「おいナマエ。お前花京院みたいなやつが好みなのかよ」



しかもジトーとした目とともに尋問まで始まりやがった。ここでYESと言ったらどうなんだろう。こわいから言わないけど。オラオラ怖いから言わないけど



「別に好きじゃないけど」



これは本心だ。イケメンだとは思うけれどスタンド使いはタイプじゃない。だって絶対に面倒事に巻き込まれるのは目に見えているもの。普通の人生を送れる旦那がいいです。



「そうかよ」



承太郎はそういうと納得したのかこちらに背を向けて歩き出した。取りあえず承太郎が納得してくれてよかったがこちらは別の戦渦に巻き込まれた模様。女の子の嫉妬の目が怖いです。私が承太郎に話しかけられたからご不満のご様子。変われるなら喜んで変わるわ!承太郎がこれからどうなるか知ってるのか?やつは存在が死亡フラグなんだぞ?一生戦いまくりの人生なんだぞ?本当に全く関わりたくない。



「おい、」


私がぐちぐち言われていると承太郎がこちらに振り向いた。まさか助け舟!?あの承太郎がそんな気の利いたことできるとは!と感動していると承太郎は頭をかきながら



「で、俺と花京院どっちがタイプなんだよ」



そういった。あたりの温度が沸点を超えたのを感じた。

あ、うん。ちょっと黙ってくれる?

こいつが悪の根源だ!と思いながらやってきた第2次世界大戦に私は身を備えた。



















保健室が爆発した噂を聞きながら帰宅する。間違いなく承太郎と花京院の激闘があったせいであろう。お前らやりすぎだよ。急患とか出たらどうするつもりだったんだよ。ちょっとは学校に愛情をもってあげてください。

どうやら空条家はホリィさんが倒れたり花京院が仲間になったり急展開を迎えたらしい。なぜ知ってるかって?早退した承太郎にプリント届けに行ったらその現場に鉢合わせてしまったのだよ。私はつくづく面倒事ごとにあう体質らしい。いやな体質だ。

承太郎はこれからエジプトに向かうらしい。表向きの理由はホリィさんを救うためエジプトにしかない薬を探しにいくのだそうだが私は承太郎がDIOを倒す為にエジプトに行くのだと知っている。

エジプトへの旅はDIOの刺客に襲われたり気候の厳しい土地を横断したりと辛い旅だ。是非とも頑張れとにかく頑張れ。応援はしているよ心の中で。

JOJOの世界にトリップしてしまった時はどうなるのかと思ったが3部はそもそもジョースター一行のエジプトへの旅がほとんどだ。つまり旅についていかなければなんの危険もないのだ。

よかった。承太郎の幼なじみとかふざけたものになったときは死亡フラグ立ったか!?とガタブルと怯えたものだったが旅にも誘われないしその兆しはない。よかった!本当によかった!私の身に危険が及ばないならいいや、みんな頑張ってね。

まあ私が直接旅に行くわけではないのなら旅仕度くらいは手伝ってやってもいい。エジプトへの荷物をまとめる承太郎の手伝いをする。

これから暫く承太郎に会えないのか。もう会えなくてもいいけど。行きはホリィさんの為に急ぐべきだけど帰りはのんびりしていいからね。3年くらいのんびりしてきていいからね。

承太郎の荷物を纏めているとふと誰かの気配を感じた。

振り返るとそこには花京院が立っていた。



「君は確かナマエちゃんだったよね?」


「はいそうですけど」


「君は承太郎の彼女なのかい?」


「いや違いますけど?」



来て早々意味のわからんことをいう花京院の発言をばっさり切る。どうしたんだこいつ。まさかDIOの肉の芽にもう脳ミソやられちゃったのか?かわいそうに。

花京院は私の側までくると隣に座った。何か用なのか?



「承太郎はしばらく戻ってこれない。この旅は厳しいものになると思う」


「そうですね。まあでも承太郎は強いですしそれにムキムキの守護神がついてますので大丈夫でしょう」



最強スタンドのスタープラチナがいるから承太郎は全然大丈夫だ。むしろ危ないのは君だよ花京院。君には死亡フラグが立ってるだよ。…嫌なこと思い出した。そうだ、花京院はこの戦いで命を落とすのだ。

個人的には花京院にはあまり死んでほしくない。というか別に死んでほしい人などいない。イギーもあと一応アブドゥルさんも死んでほしいとは思わない。助けられるのなら助けたい。

何か助言でもした方がいいのだろうか。DIOの能力は時を止める力なんだとか。いや、それはいったらダメだろ。なんか違うフラグが立ちそう。何故それを知っている!?お前まさかDIOの仲間なのか!?みたいな。



「君はスタンドが見えるのか?」



花京院の表情が驚愕なものへと変わる。ヤバイ、なんかミスった?!スタンド見えるのってまずいのか!?



「君のスタンド使いなのか?」


「いや、えっと。違うと思います。それらしきもの出せないし見えるだけですね、ハハ」



ぐいぐい話してくる花京院に苦笑いしながら答える。なんでこいつこんなに食いついてくるんだ?疑われているのか?いや、嘘はついてないよ?本当に見えているだけで私には緑のメロンな生霊とかいません。うん、本当だ。私はただ悪魔の実を食べただけの人間です。



「そっか、見えるだけか」



私の答えに納得したのか花京院は私から少し距離をとりうつむいた。え?なんで落ち込んでるの?私何かした?これまるで私が悪者みたいじゃん。花京院いじめたみたいじゃん。濡れ衣だ。事実無根だ。で、なんなんだよ花京院。文句があるなら直接話したまえ男だろ



「それでも承太郎が羨ましいよ。僕には理解してくれる人が誰もいなかったから」



そういうと花京院はポツポツと自分の身の上話を始めた。曰くスタンドを見えない奴とは真の意味で分かり合えないとかそのせいで家族とも友人ともうまくいかなかったとか一言で言うならば花京院のボッチ体験談でした。心底どうでもいい。でっていう。うん、君がボッチでゲーマーなのはわかったのであとは同じスタンド使い同士承太郎と仲良くしろよ。それで解決だろ?何故私に言う。



「それでね、ナマエちゃんお願いがあるんだ」


花京院が懇願するような顔でそういってきた。
この流れでお願いと言われてもろくなお願いが出てきそうにないがまあとりあえずは聞くよ。ほら、いいたまえ



「今の僕は承太郎に救われおかげでこうしてまともに戻れた。でも今までのことを振り返るとこんなことを言う資格は僕にはない。だからナマエちゃんお願いだ、もし僕がこの旅を終えホリィさんを救うことが出来たら僕と友達になってほしい」



そう花京院は真剣な表情で言い切った。言い切った。言ってしまった。…おい、花京院。お前ゲーマーだろ?オタクだろ?わかるだろ?

それ死亡フラグじゃないかああああああああああ!!!帰ってきたら〇〇したいってのは死亡フラグの常套手段だって知らないの?!ただでさえお前はシャレにならんというのに!!馬鹿なの?死ぬの?本当に死ぬぞこの大馬鹿野郎うぅぅぅーーーー!!

だめだ。花京院はもう助からない。こいつは助からない。ただでさえ死亡ルートに片足突っ込んでるのにご丁寧にフラグまで立てやがった。ダメだ、このままいかせたら確実に花京院は死ぬ。どうすればいいどうすればいい。

私は花京院に死んでほしくないと思っている。だってDIOの支配が解けてせっかく自分のこと理解してくれる仲間を見つけたのに17歳の若さで死ぬんだぞ?そりゃかわいそうだわ!

花京院の死亡フラグを回避する方法、思いつくには思いつく。だが嫌である、せっかく平和な世界にやってきて危なげない日常を送れるというのになぜ火の粉の中に身を投じなくてはならない。嫌だ嫌だそれは嫌だ。

でも他に方法はない。目の前にはにこやかな笑みを浮かべ照れくさそうにしている花京院。ダメだ、こいつは死なせてはいけない。それはさすがに後味わるすぎる。

私はゆっくりと口を開けた。口の中はからからに乾いていた。


「わ、わたしも」


「ん?」


「私もその旅についていきます」



もう花京院を助けるには私がついていって直接死亡ルートにならないように誘導するしかない。私があの未来を変えるしかない。

でも承太郎たちの旅は本気で命の危険がある危険な旅だ。もう本当にいきたくない。まったくもっていきたくない。だけど花京院の死亡フラグ折るためについていくようわああああああああんっ!

当然のように承太郎には反対された。危険な旅だ、ナマエはついてくんじゃねえ!

が、物理的に黙らせる。 星の白金(スタープラチナ)で一発でも私を殴れたら諦めるよ。風人間の私に物理攻撃は効きません。でも体の中に 星の白金(スタープラチナ)が通過していったときは本当にビビった。承太郎、おまえ手加減しなかっただろ?

攻撃がすり抜けて驚く承太郎。これなら大丈夫だろうとアブドゥルさんにお墨付きをいただいた。ついでにスタンドだと勘違いされて名前ももらえた。 風の残像(クリアビジョン)という名前だ。おお、カッコいいと思ったところでふと気づく。

あれ?私は本当はスタンドがいなく風になれる能力は私自身の能力だ。つまり 風の残像(クリアビジョン)=私ということになる。なんか二つ名がついたみたいで恥ずかしい。本当はスタンドがいないことは死ぬまで黙っていよう、うん。


こうして花京院の死亡ルートをバキバキに砕くための旅が始まったのだった。


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