ジョジョ2

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全力で車を飛ばしてなんとか国境付近で赤石を乗せた列車に追い付く。早く列車襲っちまおうぜというジョセフに国境を越えてからですとリサリサ先生が答える。あ、襲うのは確定なんですねはい。

汽車が国境越えの手続きをするのを待ってると後ろからクラッションがなった。先に行きたいのなら勝手に抜かせばいいだろ!とジョセフが叫びながら後ろを向く。そして息を飲んだ。それに続いて皆振り返る。後ろの車に乗っていたのは緑色の軍服を着たドイツ軍だった。



「久しぶりだなジョースター」


「誰だてめえは!俺はドイツ軍なんかには知り合いはいねえぞ!」



気安く話しかけてくるドイツ軍人にジョセフが噛みつくように答える。死んだと思っているだろうから思い付かないのも無理はないが声とかでわからなのかな?あれシュトロハイムですよ。あの髪の毛に水分足りないシュトロハイムさんです。お前一時とはいえ共に戦った盟友ではないのか?まあジョセフの記憶力と交流関係については置いておく。原作でもこの流れだったな。別に原作の展開で特に問題ないし静観し流れを見守ることにします。

列車内からありました大佐!という兵隊の声が聞こえるとシュトロハイムを乗せた車は私たちを追い越しその小包を受け取りに行く。その小包を見て皆息を呑む。それはまさに私たちが探していた赤石の入った郵便物だった。

何故ドイツ軍が赤石を、と驚くリサリサ先生を見ながらシュトロハイムは見張られていたことに気付かなかったのか?赤石のこともエシディシのことも我々は把握していると言った。なんというストーカー発言。ジョセフの戦いだけじゃなくてエシディシがカーズに送った小包のことまで知ってるなんて望遠鏡でちょっと覗いていたレベルの監視じゃないのよね?確実に盗聴コースまで入ってるよね?おまわりさんこいつです。ここまで堂々とした犯罪者初めて見たわ。というか私たちの私生活赤裸々だったんだよな。え、どこまで知ってるの?ジョセフのコーラに醤油を足したりシーザーの額にバンダナと同じ模様を書いたりした犯人が実は私だってことも把握されてるんですか?ちょっと待ってください。出来心だったんです。許してください。後生ですからジョセフとシーザーには黙っててくれ。バレたら間違いなく猫耳カチューシャつけたうえで三本線のヒゲかかれるから。

協力したい、我が屋敷までついてきたまえと偉そうに言うシュトロハイムにリサリサ先生は取り敢えず従うという。え、そんなの従う必要ある?今こそ奴らを殲滅せんと戦うときじゃないの?あのイカれた頭に波紋ぶち込んで記憶抹消させようよ。いつになく好戦的だなって?保身のためなら戦いますから。

が、リサリサ先生が同じ人間同士戦うことをよしとしなかったため大人しくシュトロハイムの屋敷まで行くことになった。車を停め中で寛ぐ。確かここにカーズが襲撃してくるんだよな。うわ、いきなりラスボスとの対面かよ。まったくもって戦いたく無いです。まあここはジョセフがなんとかしてくれるってわかってるからそんな気負わなくてもいいだろう。いざとなったら逃げる心構えだけはしておきます。よし。ところでまだ外明るいんだけどカーズが攻めてくるまですごっく暇です。むむむっ。え、トランプでもしようかって?いいけどイカサマはするなよ?振りじゃないよ?絶対するなよ?

なんて言ってもジョセフがしないわけがなくて私が大敗してピーピー泣いてるとシーザーが参戦してきた。レディーを泣かすのは許さんって。きゃー!シーザーかっこいいー!そしてイカサマ合戦になり最後は殴り合いになった。どうしてこうなったし。

そんな感じで時間をつぶしてたのだがしばらくすると飽きたのかジョセフが腹減ったからドイツ軍に飯もらってくるわと出ていった。おう、いってらっしゃいと見送ったところで、ん?と思う。黙って外を見る。なるほど真っ暗だ。あれ、もう夜になってるよ。時間が経つのは早いですね。そうか、夜になったのか。うん。・・・やばい、カーズが来る。みんなでカードゲームとかしてなごんでたけどそれどころではありませんでした。どうしよう。だからと言ってやることないんだよな。赤石はちゃんとジョセフが取り返してきてくれるもんね。よし、待機!私は何ごともなかったようにシーザーとトランプを再開した。

そしてその五分後耳をつんざくような爆音が響いて屋敷が揺れた。戦闘が始まるのは知ってたけどちょっと激しすぎないですか?みんな慌てて部屋を出る。そしてシュトロハイムの部屋に行くと壁はぶっ壊れていて外にはカーズと徒競走しているジョセフの姿があった。うおー、ジョセフ頑張れー!



「うおおおおおおっ!!!」


「ジョジョ、貴様まさか俺が赤石を拾い上げようとした瞬間蹴りをくらわせようとしてるんじゃないだろうな?」



必死なジョセフに対してカーズは余裕そうだ。まあカーズは崖から落ちても死なないからね。ジョセフは死にます。だがそこはジョセフ・ジョースター、抜け目ないことでは歴代ジョジョで1番だ。カーズが赤石を取った瞬間蹴りをくらわせ雪を浴びせた。怯んだカーズから赤石を奪いとる。

だがカーズだって一万年分の執念は伊達じゃない。足から剣を出すとジョセフの肩に突き刺し谷底への落下に道連れにした。ジョセフはカーズとともに落ちていく。

つららに捕まろうと色々錯誤するが空中戦では失うものがないカーズに分がありことごとく打ち破られる。そして足に刺さった剣に直接波紋を流し込もうとして逆に蹴り飛ばされ切り裂かれようとした。空中ではジョセフにカーズの攻撃を避けるすべはない。だがとっさの機転で赤石を盾にし難を逃れた。さらにジョセフは落下してきたつららを波紋でくっつけロープ代わりにする。足りない分はシーザーがつないだ。お前らなんでそんなに息ぴったりなの?私は原作知ってたからこの展開わかってたけどシーザーはなんでわかっちゃうんだろう。すごく不思議だ。シーザーちゃんも俺のくだらない考えに到達したわけねーとふざけた口調で煽るジョセフにシーザーが青筋立ててるが私もそう思うぞ。シーザー、お前毒されてるぞ。

というわけで無事赤石は取り戻すことできたしシュトロハイムとも同盟を結ぶことができたし現状はなかなかいい感じだ。だが忘れてはならない。スイスに来たということは最終決戦が近づいていることに他ならないのだ。

カーズは近くにいるしワムウももうスイスに戻ってきているだろう。ということはつまり私の目的を果たすときも近づいているということだ。

私の目的はシーザーの死亡フラグをバキバキに粉砕してかつ原作通りに物語を進めることだ。でもこれって結構大変だよな。だってシーザーの死亡フラグをなんとかするにはワムウ戦に参戦していかないといけないってことだろ?いやだよあんな究極生命体なんか相手したくないわ。それでもシーザーに赤いシャボン玉を作らせるわけにはいかない。それだけは絶対に嫌だ。あんな悲しい展開は絶対に迎えさせないからな!

取り敢えず今日はおいしいもの食べて早く寝て英気を養おう。

あー、シーザーが勝手に助かってくれればいいのにと思いながら私は暖かなベッドに体を埋もれさせたのだった。




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