ジョジョ2

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エア・サプレーナ島で修行を開始して3週間、思ったのが私って結構体力あるなってことだった。

ジョセフとシーザーと同じ修行メニュー(ただし水中訓練は除く)をしてもなお私は結構ケロリとしてた。ジョセフとシーザーが修行を終えぜいぜい肩で息してる時も普通にスージーQの部屋に遊びにいってジョセフの悪口に花咲かせたりしていた。いやまあ確かにハードなんだけどワンピースの世界で虎やら熊やらワニやらと命がけの鬼ごっこしながら過ごしたことと比べれば生命が脅かされてないだけマシである。だって私はエースやらルフィやらサボやらに振り回されじいちゃんの愛ある拳をいただきながら生きてたんだよ?ロギンズ先生やメッシーナ先生のいうことなんてかわいいもんだ。だっていきなり猛獣のいる谷底に放り投げられガハハ生きて戻ってこい!なんて言われないもん。こっちの修行は3食ついてるしおまけに暖かいベッドもあるし不満などない。勿論修行なんてせずに平穏に生きれるならそれに越したことないのだが修行中は死亡フラグと無縁に生きれるのでいうほど悪くないのだ。今日の修行メニューも終わったな。スージーQにお菓子ねだりにいこう。

確かに自分でもちょっと言ってることがおかしいとは思う。普通の女の子は島を100周したあと塔のてっぺんまで階段の登り降りをしてさらに師範代の講習を平気な顔で受けたりしません。それだけ苦労してきたんだよ。本当に苦労したんだよ。毎日命がけで頑張っていたもんな。あれおかしいな?視界が霞んでいくぞ?

というわけでちょっとバケものじみた体力を発揮してるとジョセフとシーザーの態度が変わっていった。

まずジョセフだが初めて会ったころはガキんちょ扱いしてきたくになんでこのメニューこなしてそんな平気な顔してるんだよ!お前本当に人間なのかよ!と人外扱いしてきた。

これには腹が立ったので女の子にも負けるお前が軟弱なんだよ。やーい貧弱貧弱ぅー!と煽ってやったらめっちゃ必死に修行するようになった。お前柱の男たちに毒埋め込まれたと聞いた時より真面目にやってない?どんだけ私に負けたのが悔しかったんだよ。まあジョセフが強くなることはいいことなので結果オーライです。ジョセフはそんな感じだ。

次にシーザーだが相変わらず爽やかで私には好意的に接してくれるのだが明らかに女の子扱いがなくなった。

最初の頃はセニョリーナ、君の輝きで今日も世界は照らされたね。美しい、君は世界そのものだと歯がガタガタ浮くような挨拶をされてたのだが最近ではやあナマエおはよう。昨日の君の気配の消し方は見事だった。一本取られてしまったが今日は負けないぞ。よろしく頼むといった感じで普通の挨拶をされる。スケコマシをやめたのかと思ったがスージーQには未だにギザな挨拶をしていた。どうやら私に対する扱いだけが変わったらしい。口説かなければならないレディから戦友にシフトチェンジしてます。別に背筋がざわざわするような口説き文句を言って欲しいわけじゃないし友人扱いされるのはむしろ嬉しいがなんとなく複雑だ。つまり私を女子として見なくなったということだろ?それはなんか乙女として悲しいです。というか私を戦わせないとかいってたあれどうなったんだよ。お前今完全に私を戦力に換算してるだろ。女子と見ないのはいいとしても戦士として見るのはやめてください。私戦闘民族にはなりたくないです。

そんな感じでジョセフとシーザーとともにしごきという名のイジメを受けて3週間、ついにジョセフとシーザーは最終試験を受けることになった。

最終試験の内容はジョセフがロギンズ先生、シーザーがメッシーナ先生と戦い勝つことだった。最終試験の内容が自分たちをしごいてくれた先生を倒すことと聞いてジョセフが生き生きとしている。まあジョセフの相手がロギンズ先生ならジョセフはなんの問題もなく勝っただろうが残念ながらジョセフのお相手はエシディシです。死闘になるだろうから頑張って下さい。そういえば私の試験はって?いやないよ。だって私そもそも波紋使いじゃないし試験受けるにしても私物理攻撃効かないんだから相手は私に攻撃できないんだぞ?なので私に最終試験はありません。1人免除です。いえーい

というわけで最終試験は私にはないが残念ながらやることはある。それはずばりロギンズ先生を救うことだ。このままだとロギンズ先生はエシディシによって殺されてしまう。正直ロギンズ先生は好きか嫌いかで言えば大嫌いなのだがそれでも死んで欲しいとまでは思わない。修行厳しかったし顔厳ついし失敗するとゲラゲラ笑ってくる最悪の先生だが死んで欲しいとは思わない。まあちょっとエシディシに痛め付けられちまえとは思うけれど。

そんなわけで試験の日ジョセフが来る前にロギンズ先生のところへ行く。シーザーに俺の妹弟子はジョセフの応援に行くのか?妬けるな。俺の武運は祈ってくれないのかい?と引き留められそうになったが私がジョセフの方行くのは応援じゃなくて救援です。ロギンズ先生の死亡フラグ折りにいくためなのでシーザーの方には行けません。だが正直にそう言ってなんでエシディシが来ること知ってるんだと突っ込まれるのもめんどくさいのでシーザーは大丈夫君は大丈夫絶対勝つって信じてるから!とシーザーの勝利疑ってないから行かないのですオーラを出しジョセフの試験会場に向かう。ロギンズ先生はまだ生きていた。



「ん?おお、ナマエか。どうした、何か用か?」


「えっと、ジョセフの応援に来ました。ここにいてもいいですか?」


「構わんが手出しは許さんぞ?これは真剣勝負だからな」


「了解です。あいあい!」



そういってロギンズ先生の言葉にビシッと敬礼の姿勢をとる。もちろん手なんて出しませんよ。そんな場面ありませんから。

残念ながらロギンズvsジョセフの対戦カードは実現しません。今からやってくるエシディシの相手で忙しくてそれどころではなくなるからです。最もロギンズ先生とジョセフの試合があったとしても手なんか出さないけど。そこまで無粋ではないしなにもしなくてもどうせジョセフが勝つだろうから。

というわけで決戦の場に着いたことだし私は辺りを見渡しエシディシを警戒する。辺りが暗いからいまいち周りがわからない。それでも空気の流れを感じながらじーっと待っていると海の方から気配がした。来たようだ。



「おっと、この島ではなかったようだな。エイジャの赤石を持つ女がいる島は」


「お前はエシディシ!??」



上陸したエシディシは私とロギンズ先生の姿を見ると自分が来た場所が間違いだと知り本島の方向に視線を向ける。エシディシが間違えたことはある意味幸運だろう。向こうの島にはエシディシが望むエイジャの赤石があるし非戦闘用員のスージーQもいる。あの島に直接乗り込まれるのはこちらの分が悪い。

だからこの状況は私たちにとってラッキーだというのに震えが止まらない。やっぱりエシディシ怖いです。柱の男たちなんかと戦いたくないわ。でも逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ。逃げるとロギンズ先生が死にます。うわあああ!もう!先手必勝だ!



「風弾ーーーっ!!!」


「何!!?」



エシディシがこちらに来るまでに最大出力の風弾をエシディシに撃ち込む。複数撃てばいくつかはエシディシに命中したのだろう、エシディシがよろめいた。どうだ効いたのか?いけましたか?この島に来て3週間頑張った修行の成果は出ましたか?お願い倒れてください。私の厳しすぎる修行の成果報われろ!



「効いたぞ小娘。中々いい攻撃だな」



エシディシは一瞬倒れそうになるが直ぐ様体勢を立て直し踏みとどまった。そして私を見てニヤリと笑う。あ、これダメですね。効いてるとか言ってるけど全然余裕そうに笑み浮かべてるじゃん!どうみても大したダメージ与えてないよ!うああああっ!ダメだった!

今ここで私の3週間の修行が無意味と証明されてしまいました。いや最初頃柱の男に攻撃したときは蚊に刺された程度の衝撃しか奴やに与えることができなかったから進歩はしてると思うけど倒せるほどの衝撃を与えられないなら無意味だ。そういえば思い出したけどエシディシって火の付いたダイナマイト飲み込んでも平気だったよね?そんな化け物に勝てるわけないじゃん。



「どいてろナマエ。波紋の使えんお前に奴の相手は無理だ 」


「ロギンズ師範代、」


「こいエシディシ!私が相手になろう!」


「ほう、波紋戦士か。いいだろう相手してやろう」



そういってロギンズ先生が前に出る。珍しくロギンズ先生が格好いいけど残念ながら先生はエシディシに勝てませんよ?肺に穴あけられて死にます。

だがそんなことを知らないロギンズ先生は波紋を纏わせた拳をエシディシに叩きつける。でもやっぱりその拳はあっさりエシディシに受け止められてしまった。



「この程度の波紋では俺を倒せないぞ!」


「ば、ばかな!」


「ふん、貴様には用はない。死ぬんだな」



エシディシは手を溶かされながらも逃げられないようにロギンズ先生の手を握りしめると蹴りをくり出した。ああああ!アレがロギンズ先生の肺貫通する攻撃かよ!ヤバいアレ食らうとロギンズ先生が死ぬ!とすればやることは1つしかない!ううう、食らええええ!!



「ふうだぁあぁぁんんんん!!!」


「ガッ、」


「なっ!」



全力の風弾をロギンズ先生に向かって撃ち込む。ロギンズ先生に向かってだ。だってエシディシには効かないんだからあとはロギンズ先生の方に撃つしかないじゃん。ロギンズ先生はエシディシの手から離れ数メートルぶっ飛んだ。取り敢えず窮地は脱したと思うんだけどあれ?ロギンズ先生大丈夫ですか?あの動かないんだけど、



「ほう、死なせないために味方を攻撃するとは中々思いきったことをするな。いいセンスだ」


「うあああん!ロギンズ師範代ぃぃぃぃ!!!」



エシディシになんか褒められたがそれどころではない。慌ててロギンズ先生に駆け寄る。ちょっ、大丈夫ですか!?エシディシの攻撃食らわなくても私の風弾で死んだら意味ないわ!というか私この年で殺人鬼になりたくないんですけと?やめて、ホントやめて。犯罪者になりたくないです。ロギンズ先生死なないでえぇぇぇーー!!

心音と呼吸を確かめるとちゃんとロギンズ先生は生きていた。取り敢えず殺人者コースは防げたらしい。よかった。にしても私の風弾の威力しっかり上がってたのね。強靭な肉体を持つロギンズ先生をノックアウトに出来ちゃうくらい強くなってたのね。なんだ、修行は無駄になってなかったんだ。まあ役には立ってないけど。ただ味方の数減らしただけでした。どうしよう。

状況は普通によろしくない。気絶しているロギンズ先生と波紋の使えない私vsエシディシだぞ?まったく勝ち目はありません。

誰か助けてえぇぇぇぇーー!!と心の中で悲鳴を上げた瞬間足音が聞こえてきた。こ、これは!



「あり?ロギンズの野郎どこにいるんだ?」



聞こえた声に拍手喝采する。ジョセフ!君を待っていたんだよ!よく来た!さすがヒーロー空気が読める!じゃあ後は頼んだよ!

現れた主人公に勝利を感じ思わず頬が綻ぶのだった。


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