ジョジョ2

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目が覚めると周りは真っ暗だった。え、ちょ、ここどこですか?

さっきまで私は自分の部屋でべポの肉球に求愛してたはずなのにどうしてこんなところにいるんだ?どうみても異常な状況だわこれ。ひょっとしてまたトリップしたんですか?慌てて自分の体をまさぐる。取り敢えず年齢は変わってないようでほっとする。もう一度人生やり直したくはないです。勿論強くてニューゲームさせてくれるなら全然かまわないけど無駄に危険な目に遭ってるだけな気がするのでニューゲームはいいです。それより私のもとの世界での人生をコンテニューさせてくれよ。一体いつになったら私は制服に袖を通せるんだろうね。なんか帰ったらカビてそうだから日干ししよう。

ここがどこかわからないので現状確認。ひょっとしては実は自宅ではないけど元の世界には戻ってるという可能性があるので試しにふうふうの実の能力は使えるのかと調べたら使えました。空飛べます。風になれます。絶望しました。やっぱりここ元の世界じゃないわ。元の世界でこんな異次元超能力なんて使えないよ。ここどこだよと思いながらあたりを見渡すと遠くに明かりが見えた。何やら話声も聞こえてくる。ここにいてもどうしようもないから取り敢えずあそこにいる人たちのところに行ってこの場所がどこなのか聞こうとしたらなにやら悲鳴が聞こえてきた。え、なに?何ごと?事件ですか?ヤバいすごく向こう行きたくなくなってきた。



「まさかこいつ目覚めている!??」


「このワムウを作った光で支配できると思うなよ!!」



遠目でわかりにくいが柱の中から奇抜なファッションの男が出てきて人々の間を歩いたと思ったらそこにいた人たちがドミノ倒しのように倒れていった。ええええっ!!?え、今何が起こったの?あそこにいたおっさんたちはやられちゃったんですか?出会い頭にこんな危険な場に出くわすとかなにそれ聞いてない。ちょっといきなりハードモード過ぎませんか?おっさんたちを瞬殺した奇抜なファッションの男は柱に戻ると何やら言葉を口にした。すると柱からさらに2人の男が出てきた。増えた。誰か嘘だといってくれ。

複数人を一瞬で葬りさることができる超強い殺人鬼の仲間が2人も追加されたんですけどやめてくださいお願いしますから。しょっぱなから死亡フラグがめちゃめちゃ立ってるんだけどどうしたらいい?死にたくないです。幸い奇抜な男たちは私に気づいていないようだ。よし、逃げよう!



「おい軍隊が警備してるんだろ?どこにいるんだよ。静かすぎるぜ」


「お前がうるせえんだ」


「お、おかしい。ここにいるはずのわが軍の見張り番がいない」



と思った瞬間新たな登場人物が現れた。なんてタイミングの悪さだ。そこの人たち、そのあたりめっちゃ危ないですよ。殺人鬼がうろうろしてます。全力で逃げてください。

背の高い男が何か踏んだというと次の瞬間人間の皮だッ!?と叫んだ。に、人間の皮?なにその恐ろしいフレーズ。いやそこに死体があるとは思ってたけどなんで皮になってるの?中身どこにいったの?あの奇抜な男がなにかしたの?あの男人間じゃないだろ。やってることが人智の範疇を超えてます。



「ぜ、全滅しているぞ!?うわあああああっ!!!」


「おいドイツ野郎そっちに行くんじゃねえ!何か潜んでるぞ!」



新たに入ってきたメンツの中の一人が恐怖に駆られたのか逃げ出した。その気持ちはよくわかるし私も死ぬほど逃げ出したいのだがおいやめろバカ。その逃げ方は死亡フラグが立ってるぞ!ホラー映画とかでも最初に逃げた奴から死んでいくだろ?というか本当にヤバい。逃げた男の向かった先にはあの殺人鬼たちがいるのだ。フラグだいたい成就してるよ。やばいこれはあいつ死ぬ!

そして案の定奇抜な男どもがぬっと現れた。あ、あれ死んだわ。このままいけば間違いなくあの青年の命は摘み取られてしまうだろう。私の存在が認知されるからあんまり動きたくなかったけど死ぬとわかっていて助けないのも寝覚めが悪い。あ、おっさんたちは助けられなくてごめんなさい。あんな急に戦闘始まると思ってなかったんですすまん。というわけで殺人鬼と逃げた軍服着た男に向かって風弾を打つ。軍服の男を軽く吹っ飛ばし殺人鬼から遠ざけついでに殺人鬼を攻撃する。だが殺人鬼は首をかしげるだけでびくともしない。え、効いてないの?強い。あ、だめだあれは勝てません。逃げよう



「マルク!大丈夫か!」


「ああ、シーザー。大丈夫だ。何かに弾かれるように身体が動いたんだけどなんだったんだ?」



取り敢えず軍服の青年は助かったらしい。よしよし、じゃあもういいね。さてここから逃げるかと思った瞬間体が宙に浮く。あれ?私いまふうふうの力使ってませんよ?っていうかお腹の上に誰かの手が回されているのが見えます。ということでおそろおそる振り向いたら巨漢な男が私を抱き上げていた。うわあああっ!?見つかったああああっ!!!



「ニシシ捕まえたぜ。こいつが柱の男とドイツ人の野郎になにかしたのを見たぜ」


「うわああああばばばばっ!!?離せ離してください頼むから離してくれええええーー!!!」


「女の子?どうして女の子がこんなところに?」


「こらジョジョ!女性を粗末に扱うんじゃない!」



ジタバタと暴れて男の腕から逃げようとするが丸太のような腕から逃げられない。くっ、私のようなか弱く可憐な少女を力で押さえつけるとはなんて卑劣な男だ!かくなる上はこいつの急所に風弾打ちこんでやる!と思った瞬間聞こえてきた単語にピタリと身体が固まる。ジョジョ?ジョジョってあの奇妙な冒険のジョジョですか?思わず自分を抱える男をマジマジと見てしまう。なに?俺に惚れちゃったの?とにやにや笑う巨漢の男にそれはないと断言しつつじーっと男を見る。取り敢えず好みではない。私は戦いとは無関係な人生を生きてる穏やか系男子が好みです。太い眉に濃い顔つき、2m近くある巨大な身体、そしてジョジョと言う名前。なるほど、ジョジョの奇妙な冒険第2部主人公ジョセフ・ジョースターですね。シーザーっぽい金髪のイケメンもいるし間違いない。うん、ふざけんなああああああっ!!!

ワンピースの次はジョジョの世界だと?ばりばり戦闘系の世界じゃん!なんでこんなところに飛ばされたんだよ!やめてよ!よしてよ!だから命は投げ捨てるものじゃないんだよ!ガチで命賭けの世界に送り込むのやめてください神様!うわあああ、じゃああの奇抜な服装の男たちは柱の男たちかよ。ジョジョ界の最強ラスボスとも言われるカーズ率いる古代戦士たちかよ。気分は最悪です。本気で命が危ぶまれてます。うわ、死にたくない。



「で、どうするのこのガキんちょ」


「おい、誰がガキんちょだこら」


「今はそれについて考えなくていい。何故ここにいるかはわからんが柱の男たちの縁の者でもないようだし。それよりも柱の男たちのことの方が大切だ」


「ねえ君さっき僕を助けてくれたんだよね。ありがとう。改めお礼を言わせてほしい」


「あ、いえいえ。どういたしまして。お礼ならこの野蛮な男の腕を解いてくれると嬉しいです」


「そうだぞジョジョ。レディを締め上げるなど紳士のすることではない!離せ!」



そういうとシーザーと思わしきイケメンがジョセフの手をひねり上げイテテという悲鳴とともにジョセフは私を離した。私はどさりと地面に尻もちをつく。もうちょっと丁寧に扱ってくれよジョナサンの血統どこいったと思いながら顔を上げるとシーザーが私に向かい手を差し出していた。顔にはにこやかな笑みが浮かんでいる。



「大丈夫かいセニョリーナ。怖かっただろ?もう大丈夫だ。この乱暴な男は二度と君に指一本触れさせたりしない。さあ御手をどうぞ」


「あ、どうも」



私はシーザーの手を取り立ち上がる。すごい爽やかな笑みです。これがシーザーが女性だけに見せる王子様スマイルというやつか。これなら幾人の女性が恋に落ちていくのも納得である。でもそんなイケメンシーザーには残念なことに死亡フラグが立ってるんだよね。ワムウとの戦いで先祖の誇りとジョジョとの友情をかけて死力を尽くして戦いそして死ぬ。うわ、どうしよう。困ったことになった。ジョセフから解放されたらぶっちゃけさくっと風になって逃げようと思ってたのに大変なこと思い出してしまったわ。ここで私が去れば間違いなくシーザーは原作通り死ぬだろう。マルクが生きてるという若干原作改変が今行われたけどそんな微々たる変化じゃシーザーの運命は変わったりしない。女好きといわれながらも情に厚く誇り高いシーザーに死んでほしくない。シーザー本当にいいやつなんだよ。赤いシャボン玉には泣かされました。

でもじゃあ私になにができるかといえばそれも微妙だ。私に柱の男なんて倒せないしそもそも私は波紋すら使えないのだ。どうしろと?今から波紋習ってみる?いやそれは勘弁してください。地獄昇柱とか絶対に挑戦したくない。そんなもんに挑まされたら普通に飛んで逃げるわ。

そんな感じでぐだぐだと考えてるとシーザーとジョセフが柱の男たちに戦いを挑んでいた。完全に逃げるタイミング失ってるよ。もうどうしよう。私がもだもだしている間に戦局はどんどん動いていくのだった。


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