小説

□神のお告げ
1ページ/3ページ



朝から体調が優れないとは思っていたが
まさか倒れるとは……


朝起きると少し違和感がした。
だがこの程度なら仕事出来ると思い
家を出た。

仕事を始めると朝の違和感が酷くなってきて
立っているのがやっとだった

ここで倒れるわけにはいかないと
なんとか仕事を終えた

ふらふらと覚束無い足取りで家に帰ると
安心したのか俺は意識を失った



今日は久々にバイトが休みだから家に帰って
花に水をあげて、少し勉強したら
たまにはゆっくり休もうと
少し早めに帰ってきた


どうせ誰もいないだろうと思い
荷物を持ったまま家族の共有スペースである
リビングに向かった

やはり誰もいないのかシーンとしていた
が、ソファの近くに人の手を見つけた

誰か倒れているのかと思い
恐る恐る近づくと兄の要が倒れていた

「要兄さん!!」

祈織が要の額に手を当てるとすごく熱かった

このままじゃいけないと思い
部屋に運ぶのは無理だから
要兄さんをソファに寝かせ毛布をかけた

それから額に濡れタオルを置き
雅臣兄さんに電話を掛けると

今日はもう大事な仕事はないらしく
すぐ帰って来れるらしい
少し安心した

もしかしてこの前のボクのが
移っちゃったのかな……
あのときは付きっきりで看病してくれて……
なんだか申し訳ない……

苦しそうな兄さんを見ていると胸が酷く痛んだ


しばらくして雅臣兄さんが帰ってきた

「要!!大丈…夫じゃ無さそうだね…
今診るからね……」

雅臣兄さんは深刻な顔をして聴診器で心音を聴いたり要の状態を診ていた

「扁桃腺が腫れてないのに熱が高い……
うーん……祈織のが移っちゃったかな?
付きっきりで看病してたしね……今回のウイルスは感染力が強いみたいでね…」

やっぱり僕のせいで……


「僕は医者だから感染して倒れるわけにはいかないんだ……一度かかってるなら免疫が出来てるはずだから
祈織、要の様子を見てくれないかな?」

言われなくともそのつもりだ

自分のせいでこんなに苦しんでる……
少しでも早く良くなるようにしなきゃ
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ