小説

□たまには甘えてよ…
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朝から調子が悪くておかしいなって思ったけど
学校に行ってバイトにもちゃんと出た

帰り道熱っぽい身体を
半ば引きずりながら歩いていた

今日は自転車がパンクしてて後で誰かが直しに行ってくれるという話をしていたはずだ

熱でぼーっとした状態で歩いていると曲がり角で誰かとぶつかってしまった

…おっと、大丈夫?

その言葉は僕には届いていなかった


 ̄ ̄ ̄
目が覚めると見慣れた天井が目に入った

殺風景で何もない― 僕の部屋だ

何で部屋で寝かされていたのかわからない

起き上がろうとするとくらくらして
激しい吐き気が襲ってきた

僕はなんとか抑えようとしたけど
とても抑えられるようなものではなく
耐えられなくなり近くにあった袋を
なんとか手繰り寄せ口元に当てる

限界だったのかそれと同時に決壊した

……ぅ、ぇ……げほ、ごほ……

辛い…苦しい……助けて……

祈織!!

聞きなれた心地よい低音が部屋に響く

声の主、要兄さんは状況を察したのか
僕の背中を擦ってくれた

しばらくして落ち着いてきて
やっと袋から口を離すことができた

祈織大丈夫かい?

はぁ…はぁ…ん……

頷くのが精一杯だった
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