小説

□そばにいるよ
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椿が僕を看病してくれたお陰で
風邪も快方に向かっていた。

でも、僕の風邪が
椿にうつってしまったようだ。

熱が高くて苦しそうな椿を見てると心が痛む。


僕に出来るのはこうして手を握って
側に居るだけ…


はぁ…はぁ…と今も苦しそうな呼吸を
繰り返している。

こんな辛そうな椿は見たことがない。

椿は身体が丈夫で、よく僕が風邪を引くと看病してくれたり、ずっと側にいてくれた。

苦しくて眠れなかったときは
椿が一緒に寝てくれた。

椿が添い寝してくれるとすごく安心出来て
眠れなかったのに、いつのまにか眠っていて
僕が起きると椿が目の前にいて…

うれしかった。



……あ、ずさ…?

僕が椿の汗を拭いていると
起こしてしまったようで風邪で掠れた椿の声が聞こえた。

ごめん、起こしちゃった?

……あ、ずさ…(ぎゅぅ

怖い夢でも見たのか僕に抱きついてきた椿は
震えていた。

どうしたの?怖い夢でも見た?

僕は優しく言いながら椿を抱きしめた。



…どう?少しは落ち着いた?

…うん……ありがと…

落ち着いてきた椿をベッドに寝かせた。

今日は僕が添い寝してあげる。

そのあと僕も椿のベッドに入って
椿を抱きしめた。

触れ合う椿の体温に
熱がまだ高いことが感じられた。

早く良くなって、いつもの元気な椿に戻って…

眠る椿の頬に優しくキスをした。



朝起きたらいつもの椿が僕の隣にいた。

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