etc..

□灯台もと暗し
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吉田と菩薩峠を除いた鷹の爪では緊急会議が行われていた。

「気付いたか?」
「うむ」
「…ハイ」

皆、博士の言葉に深刻そうに頷く。
額には心無しかうっすらと汗が滲んでいるようにすらみえる。

「吉田の首筋と鎖骨、二ヶ所だオラッ。俺達じゃねえとしたら一体誰の仕業だ?オラッオラ」

総統は眉間にしわを寄せ腕を組んで唸った。

「むむ…最近吉田くんにいやらしい視線を向けているデラックスファイターの可能性もあるが…」

最近は色んな意味で鷹の爪団(特にこの三人)はDXFを警戒しているのだ。
総統が言うように、自分達でなければDXFの可能性がぐんと濃くなる。

「虫刺されオチじゃねぇだろうなっオラッ!」
「!わらかん、とりあえず行ってみるんじゃ!」
「Yeah!!」

博士の逆転の発想に半ば祈るように賛同し、急いで吉田と菩薩峠が遊んでいる部屋へ向かった。

「吉田くん」

総統は吉田にムヒを差し出してみた。
虫刺されならば、受け取るだろうという寸法だ。
しかし吉田はそれをみて眉間のしわを一層濃くする。

「一体なんの真似ですか総統。新手の嫌がらせですか?」
「いや、違うんじゃ吉田くん。夏じゃし、虫刺されがあるんじゃないかと」
「今んとこないですね」

なんと、虫刺されオチではなかった。
総統は驚きのあまり

「えっじゃあそれは…」

と吉田の首筋を指差して尋ねてしまっていたのだった…

「え…?」
「おい総統」
「しまった!」

博士の舌打ちが総統を責めた。
しかしもう後の祭りで、吉田は自分の首筋を手鏡でみてしまっていたのだ。
吉田はそれに気が付くとわ!と声を上げ、みるみるうちに頬を赤らめて、鏡を置いた。

「全く気付きませんでした!もう、菩薩峠、お前が吸い付くからー」
「お兄ちゃん…」

ちらりと吉田以外の三人に向けられた菩薩峠の黒い笑みに、総統は冷や汗を噴き出しながら背筋が凍るのを感じていた。

「ぼっぼぼぼ菩薩峠くんん?!!」

(まさかだなオラッ)
(絶対手、出せない…)←フィリップ

灯台もと暗しとは、まさにこの事。
犯人を追って辿り着いた先には、博士と同じくらい手強い新たなライバルが待ち構えていたのであった…








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モテモテ戦闘主任!
そして腹黒い菩薩峠くんもいいと思いますっ
お兄ちゃんloveな感じで。

いつにましてぐだぐだですが、
最後まで読んでくださって
ありがとうございました!










2010.9.11

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