銀魂
□巡り逢い
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「しんちゃん、知ってる? 七夕はね、一年に一度、彦星と織姫という恋人達が、神様に逢う事を許された日なの」
姉上は、楽しそうにそう言った。
「新八、知ってっか?」
あの人がぼくの頭を撫でる。
「今日は七夕なんだぜ?」
「俺達は…そうだな、お前がでかくなったらまた、逢えるかもしんねえな」
「、?」
その日以来、
あの人は姿を消した。
江戸中捜したけど、あの人はまるで、初めから存在しなかったかのように、ぱったりと居なくなってしまった。
そして、十年の時が流れ、
僕の閉ざされていた記憶が、甦る。
「ぎゃあぎゃあうるせーんだよ。発情期ですか?コノヤロー」
その後ろ姿は、
幼少の頃観た、あの 輝かしい―、
「店長に言っとけ。味は悪くなかったってよ」
銀さんの大きな背中、
その日は七夕ではなかったけれど、僕らはそう、十年の時を越えて巡り逢う。
彦星と織姫とは違って、これからは永遠に、
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投稿遅くなってしまってすみません;
全然旬なネタじゃありませんが、
年を越させるのも可哀想だったので…
なんだか七夕っぽくない小説ですよね。
2010.7.7 筆
2010.8.11 投稿