銀魂

□雨宿り
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「すごい雨ですね」

突然降りだした雨に、橋の上で偶然、逢ったばかりの志村新八と、屋根の下に駆け込んだ。
幾多の、落ちていく水滴を眺めながら、志村はそういった。

「ああ」

俺も同様に、落ちていく水滴を眺めながら、相槌を返す。

志村、
しんぱち

ちらり。

「、」
「あ」

ばっちりと合ってしまった視線。
志村がくすくす笑った。

「土方さん、雨上がったら、
 途中まで一緒に帰りましょう」
「万事屋まで送ってやるよ」
「いいんですか?」
「これもなんかの縁だろ。構わん」

「ありがとうございます!」

志村はこの雨雲を吹き飛ばさん勢いの満面の笑みを浮かべた。

柄にもなく、

頬が、熱い。

眼を逸らして見上げた空の、切れ始めた雲の間に、七色の虹が掛かっていた。










2010.7.12

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