番外編

□出会い
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毎日がつまんねぇ。
刺激もねぇ。
俺の名前は浮津雅樹。

現在中学生。

喧嘩上等、弱肉強食。
めんどくさい喧嘩はしないけど。
「いいことねぇかなぁ…」

煙草の煙を吐き出してまた歩きだす。

いつも通りの帰路で路地裏に入ると馬鹿みたいに声を張り上げている奴等がいた。

「ふざけてんじゃねぇ!」

ああ、誰か絡まれてんのか。
俺には知ったこっちゃない。

「すかしてんじゃねぇよ」

ドカッと鈍い音をたててそう叫んだ男が倒れた。

「オジサン達、うるさい」

透き通った綺麗な声が聞こえる。その声に俺は興味がわいた。

どんな奴がいるんだろうか。

「その顔ぐちゃぐちゃにしてやるよ!!!」

集団の一人がその声の持ち主に殴りかかるのが見える。
しかし周囲は暗くて襲われている奴の顔が見えない。

右腹部に綺麗な蹴りが一発。
またどさりと男が倒れる。

俺はその華麗さに、ひゅうっ、と思わず口笛を吹いてしまった。

「誰だ!?」

男の一人が振り向いた。
見るからに危ない人達。

「…警察呼んじゃったから♪」

俺は咄嗟にそう言ったが、勿論警察なんか呼んじゃいない。

「おい、逃げるぞ!!!」

こんな奴等、秒殺できる自信はあるが、いちいちそんな事に汗は流したくない。
それにこういう集団の奴等は警察と言う言葉に弱いのだ。

そして集団の男達はさっさとその場から走り去っていった。


俺は残された目の前の少年に近づく。

「大丈…」

「助けたと思ってるの」

路地裏を風が吹きぬけた。
まだ見えないその声の持ち主の顔。

「…うーん、逆に君じゃなくて、あいつら助けたつもりだし」

このまま見ていたら確実に奴等はボコボコだっただろう。

「ふーん…」

太陽にかかっていた雲が移動し、路地裏にいる俺達に光が差し込んだ。

その光に誘われるかのように目の前にいる少年をみた。

「…………まじ?」

俺は思わずそう呟いていた。

サラサラと風になびく髪、茶色がかった綺麗な瞳。可愛いとかカッコイイとか美人だとかそういうレベルじゃない。

「何」

やばい、やばい、やばい。
俺が男なんぞにときめくはずがない。
いや、むしろ女にすらときめいたこともないが。

「いや、その」

俺がどぎまぎと戸惑っていると、なんと綺麗すぎるその少年が服を脱ぎだしたではないか。

「うっお!?何してんだよ!!」

顔に負けないくらいの綺麗な白い陶器の様な肌が現れる。

「何って御礼。こーゆうのお望みじゃないの」

淡々と言い放って俺に近づいてくる。しかも半裸で。

「いや、いらない!!俺そういう趣味ないから!」

「皆初めはそう言うけどね」

ぴったりと密着された綺麗な体。綺麗な顔。綺麗な声。

本当にやばい、俺。

「あげる。」

何をだよ!と突っ込む余裕もなくされるがままに服に手をかけられた。

「お、まえっ!」

股間に手が延び、上から舐めるように触り始めた。

そんな状況の中、少年の服をよく見ると、なんと俺と同じ制服。

中学生!?しかも同じ学校?
見た事ないぞこんな美少年!

「っつ、」

そんな事を思っていると少年の手が下着の中に侵入していた。

「ね、俺としたい?」

「ねぇ、したい?」

ああ、やばい。本当にまじでやばい。
我慢してくれ俺の息子!!

「した、くね、え。」

触っていた手が突然止まった。
目の前の少年と目が合う。
心臓がドキドキと鳴る。
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