PINK CAT
□闇の包容
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―:5『闇の包容』―
視界の先は、漆黒の闇一色。
見えてしまう事が嫌だと思っていた事を見透かしたように、今夜の僕はアイマスクを装着され視界を完全に失っていた。
キシッ、と軋むスプリングの音が矢鱈と大きく聞こえる。
外されるシャツのボタンの音や滑らすジッパーの響きも、何時もとは違うように感じてしまっていた。
「見せたいような気もスルんだケド――空想の翼を拡げるのも悪くナイと思ったんだよねぇ…」
「?……ん…っっ…」
「舌、出してごらん?」
ベットの上に座り込み、コロンの薫りがする肩口に頭を乗せていた僕をシーツに下ろしながら、クライアントが囁く。
触れられる胸の突起からゾクゾクとした電流が背中を流れ広がって、その尖端がじんじんと疼いて。
シーツの海の上で、見えない闇の先に恐る恐る舌を延ばす。
逆らわなければ、酷くはされないからだ。
「……っ……ん」
「舐めてミテ?」
舌の上に乗り上げたボツボツしたものは、生暖かくて、不気味な感触がする。
怖ず怖ずと転がすようにして舌を動かすと、胸をまさぐっていた指先に突起を摘み上げられて、笛の音のような声を上げてしまった。
「ちゃあんと出来ないと、オシオキしちゃうよ?」
そう云いつつをクライアントが手首を掴み、そのモノを僕の手に宛てがい包み込んだ。
手の中で、トクン、という鼓動を感じ―――ああ、やっぱりそうなんだと思って。
また、ぎこちなくソレを舐め出すと、再び胸に刺激され漏れる吐息。
ブツブツとしたソレをぺちゃぺちゃと舐めとるようにして舌を動かし続けた。
「んっ……あ…っ……んん……」
「じゃあ、オクチの中に入れて、どんなカタチか教えてくれる?」
「!?―――ふぐっっ!!」