PINK CAT

□仔猫の柔肌
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―#4『仔猫の柔肌』―





スイートルームの一室で二人きりのディナー。

なるべく話しを延ばして、あの時間を少しでも短くしたい――と。

そう思っても、そう話し上手でもないから自信なんかない。自信がないから、言葉はしどろもどろになる。

そんな自分を笑うクライアントは、十字架のような胸元に漆黒の手袋を嵌めた……深く沈む、闇。






痺れる様な吐精に息を荒立て、その余韻にうなだれていた。

自分の吐き出した白いそれを、掌は弄びながら見せ付ける。
――この1ヶ月の間に、それに慣れてきてしまったのがとても嫌で……。


「コレにも飽きてきちゃったかな?……そろそろ。」


『僕に飽きた』という意味合いだと一瞬聞こえたから、少しばかり期待してしまう。

土曜の夜はよく、ゴドーさんや御剣と待ち合わせては、夕食を囲んだりしていた。

そんな日々がまた戻るかもしれない――と。

しかし、抱きしめてられていた腕が緩み、白を取り除いた黒い指先が首に絡んで。
思い込みの希望は一気に絶望へと変わり果ててしまった。


「ちょ…!…やっ……止めてください!!」

「ン?だって慣れちゃったみたいだからねぇ…なるほどちゃんもツマラナイだろうと思って」

「つ…つまらないとか、そういった意味じゃな……」

「大丈夫、チョット剥いてみるだけだから」


たちまちシュルリとネクタイを外され、手袋をしているにも係わらず…それは器用にワイシャツのボタンを次々外して行く。


「や…止めてください!!」

「へぇ…Tシャツ着てるんだね!高校生みたいだなァ、なるほどちゃん」


半剥け状態といった感じで、腕辺りまでズルリとワイシャツを引き落とされてしまった。

当然ながら下半身は剥き出しのままで、白いサーフのTシャツ1枚が唯一身に纏った布になって。

風呂上がりですら、こんな姿にはならないのに……と。
段々と羞恥心が湧いてくるのに、それでも『止めて下さい』としか言えない自分が下ばかりを向いていた。
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