スパイラル
□a certain happy day
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「歩ー!」
「うわっ!!」
鳴海家のリビングに、人が倒れ込む音が響く。
朝ご飯の支度を終え、一息ついたところの歩は、起きたばかりの火澄に飛びつかれ、支えきれずに倒れた…というところだ。
「…朝っぱらから何しやがる。」
「歩に会いたかったんよ。」
「毎日嫌でも顔会わすだろ。」
「一緒に住んでんやから、当たり前やろ?」
「……」
「何や、その「疲れましたー。」な顔は!」
「実際疲れたんだが?」
「ひどいなー、歩。こんな可愛らし顔見て溜息吐くなんて。」
「性格が問題じゃないか?……それはともかく、何があった?」
「何て、何の事や?」
「昨日、何かあったんだろう?」
歩の上に覆い被さっている火澄を見つめる。
一瞬肩を揺らして俯くと、歩の上に倒れ込む。
「おい…」
「なぁ、歩。俺はお前が好きや。」
それはもう、伝えた。何度も
歩も、受け入れてくれた。
でも、違う。何かが足りていない。
だから、あんな夢を見たんだ。
……と、思う。
――…あぁ、そうか
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