スパイラル

□せめてもの救いは
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真っ暗な部屋にひっそりと座す影がある。

「歩、電気つけないの?」

聞いてくるまどかに、明るい声で返す。

「あぁ。良いんだ、暗くても。関係ないから」

暗くても、明るくても
みえなくて、みえるから



「ねぇ、放っておいて良いの?」

心配そうに清隆に問い掛ける。
2人の間、テーブルの上には、御馳走が並んでいる。

今日、12月1日は、清隆と歩の誕生日だからだ。

「仕方ないさ。…それだけ、2人の間は深かったんだよ。」

運命とは、いったい何処まで歩を苦しめれば気が済むのだろうか



「約束、したんだがなぁ……」

暗い部屋に、ぽそりと歩の声が響く。
嬉しそうな、しかし、淋しげな声だ。

『プレゼント、どうしようかなー。』

嬉しそうに微笑む、カノンの顔が脳裏に甦る。

「約束、しただろ……、カノンっ…!」





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