R-Dream

□老科学者の夏休み
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椅子代わりのコンテナに腰掛け小さな七輪を団扇で仰ぎ、パチパチと小さくはぜる真っ赤な炭を見つめる。

ずんぐりむっくりとしたフォルムの、昔懐かしい蚊取り豚が口から煙をはいていた。

「ししゃもとホッケと、ラムとカルビとどれが良いですか?」
脱いだ軍手をポケットに押し込み、小ぶりなクーラーボックスを開け肉を選ぶ。

「ししゃもかラムじゃな」
「じゃあ半々にしましょう、私ししゃも食べたいです」

いそいそとラップを剥がし下手くそな割り方をした箸で網にししゃもを乗せ、反対側にラムを乗せた。

魚と肉の焼ける香ばしい香りを堪能し、それぞれひっくり返したところでシャドーマンがビールと日本酒片手に現れた。
ワイリーにビール(発泡酒ではない)を、田中に日本酒を渡し自分はちゃっかり腰にロボ桜をぶら下げている。

良い塩梅に焼けた肉を前にし、3人静かに乾杯をする。







「博士、野菜も食べてください」
「お主は野菜ばかりでなく肉を食え。博士、ししゃもが良い具合でござる」
「ええい!自分で取るわい!」

二人の盛り愛に、溢れんばかりのワイリーの皿。絶える事のない魚肉、そして肉。

酔いつぶれた田中が、肩にもたれて動けなくなるまで数時間。




老科学者の夏休み



誰の肩かは、お好みで
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