短編
□夏の終わりの小さな詩
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「花火をしないか?」
僕がお庭の手入れを終え、屋敷に戻って聞いたのがそれでした。
「花火?」
僕が尋ねると、お嬢様は頷いた。
「何でも、夏には花火をやるのが当たり前のようではないか。
ならば、私もやってみたいのだ」
今回は本とかそういう影響ではなく、純粋に花火をしてみたいらしい。
それは態度というか、目でわかった。
「あぁ…そうですかぁ。
わかりました。
じゃぁやりましょうか」
「本当か!?」
何だかあの一件以来(小説版ハヤテ)お嬢様は少しずつではあるが変わってきたと思う。
自分から外に出てみたり、今の様にゲーム以外にも興味を持つようになって来たのだ。
主がそうなのに、執事の僕が協力しないわけにはいかないだろ?
「はい!勿論ですよ」
だから、僕は早速準備に入った。