短編
□ペッタンコ騒動
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「あの…」
さて、生徒会三人組とナギが談笑している中、声を掛ける人物がいた。
三人より先に三千院邸へ訪れていた、ヒナギクとハムスターこと西沢歩だ。
「別に追い返す必要はないんじゃないかな?」
「なんだ、いたのかハムスター」
「いたよ!」
「すまん、つい屋敷にハムスターが侵入したと思っていたよ」
「どう考えてもハムスターのサイズじゃないでしょ!? ナギちゃんの目はおかしいんじゃないかな!?」
「おかしいって……そりゃあ年中暗いところで引きこもってゲームしてれば誰だって目はおかしくなるだろうよ」
「自覚してる!?」
ぎゃーぎゃー騒ぐ二人の近くで、「だから苦労するんですよね…」とマリアが疲れた声を出した。
「大体、ナギちゃんは冷たい! 私に!」
「は?」
「毎回毎回私をハムスター扱いして! 待遇の改善を要求します!」
「そんな扱いって……私はお前との接し方はこれしか知らないんだが」
「だ! か! ら! ナギちゃんはこれから私に優しくするように!」
どうだ言ってやったぜ、と言わんばかりに誇らしげに歩は胸を張った。
「さぁ、答えをどうぞナギちゃん! いやナギ!」
「調子に乗るなよハムスター。向日葵の種でもかじってろ」
答えは辛辣な暴言だった。
「ちょっとナギ? その言い方はどうかと思うわよ?」
「む、ヒナギクか」