短編

□ペッタンコ騒動
2ページ/7ページ

「あの…」

 さて、生徒会三人組とナギが談笑している中、声を掛ける人物がいた。
 三人より先に三千院邸へ訪れていた、ヒナギクとハムスターこと西沢歩だ。

「別に追い返す必要はないんじゃないかな?」
「なんだ、いたのかハムスター」
「いたよ!」
「すまん、つい屋敷にハムスターが侵入したと思っていたよ」
「どう考えてもハムスターのサイズじゃないでしょ!? ナギちゃんの目はおかしいんじゃないかな!?」
「おかしいって……そりゃあ年中暗いところで引きこもってゲームしてれば誰だって目はおかしくなるだろうよ」
「自覚してる!?」

 ぎゃーぎゃー騒ぐ二人の近くで、「だから苦労するんですよね…」とマリアが疲れた声を出した。

「大体、ナギちゃんは冷たい! 私に!」
「は?」
「毎回毎回私をハムスター扱いして! 待遇の改善を要求します!」
「そんな扱いって……私はお前との接し方はこれしか知らないんだが」
「だ! か! ら! ナギちゃんはこれから私に優しくするように!」

 どうだ言ってやったぜ、と言わんばかりに誇らしげに歩は胸を張った。

「さぁ、答えをどうぞナギちゃん! いやナギ!」
「調子に乗るなよハムスター。向日葵の種でもかじってろ」


 答えは辛辣な暴言だった。
 

「ちょっとナギ? その言い方はどうかと思うわよ?」
「む、ヒナギクか」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ