ヒナの使い魔

□第一章
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「貴方、誰?」


 ハヤテが目を覚めると、目の前に女の子がいた。
 年も自分とあまり変わらない、黒いマントを着た女の子が。
 その子が、もう一度口を開いた。



「ねぇ聞いてる?」


 しかしハヤテは聞いていなかった。
 周りを見回してみると、女の子とおなじような恰好をした人間が多数いた。

 どこかの学校?いやそれ以前に、どこの国なんだろ?
 どうして僕を物珍しそうに見るんだ?
 …そりゃ、貧相な顔をしてるとは思うけど…。
 軽い自己嫌悪の後、また周りを見る。


 青い空、白い雲、石造りの城。



 そして、目の前の…。
 不機嫌そうに僕を見ている美少女。



 そこまで思って、ハヤテは漸く少女が何かいっていることに気がついた。


「……ねぇ聞いてる?」
「あぁっと…ごめんなさい。何でしたか?」
「だから、貴方誰?」



 不思議なことに、言葉はわかる。
 まさか日本なのか、とハヤテは一瞬思った。

「僕ですか?僕はハヤテ。綾崎 ハヤテ」
「どちらの平民?」
「……はい?」

 平民?

 まぁ平民には変わらないだろうがあえて言うならば貧乏人だろうか。

(僕は何思ってんだか…)

 自分の社会的地位にため息をついたとき、ハヤテを見ていた周りの誰かが声をあげた。


「ヒナギク、『サモン・サーヴァント』で平民呼び出してどうするの?」



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