短編 2nd
□お節介と夕日と私。
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ドッキリというのは言葉の如く、相手を驚かせるものだ。
そりゃ私でも分かることだし、何度かテレビでやっているのを見たこともある。
だが……。
「千桜さん、では行きましょうか」
「はい、エスコート頼みますよ。綾崎君」
そのドッキリを私が現にやっているのを思うと、何だか罪悪感が沸いてくるものだ。
…
話は話せば長くなるが、文章にしてしまえば至極簡潔に纏まる。
ヒナギクの気持ちを綾崎君に――ヒナギクの気持ちが綾崎君以外にバレバレなのを忘れてはならない――伝えやすくするために愛歌さんが行動した。以上。
その内容が、何故私と綾崎君がヒナギクの提案したデートプランを実行するだとか、そもそもヒナギクは自分から告白はしないと原作では言ってるじゃねーか、何て突っ込んではならない。
何故なら――
――禁則事項です♪
なんて、本名よりあだ名の方が知られている自称一般人の心のオアシスが言うのならば納得がいくのかもしれないが、いかんせん言うのは私なので納得などいくわけもないのだろう。
彼女とはメイドしか共通点はないが(しかも彼女はコスプレなので、メイドが共通点かも怪しい)、他人に振り回される悩みはきっと分かり会えるはずだ。
傍若無人な団長に彼女が逆らえないように、ドSな愛歌さんには私も逆らえないのである。