短編 2nd

□運命の邂逅
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「ヒナちゃんには生き別れた兄弟がいたのよ」

 朝。
 白皇学院高等部に入学が決まり、それなりにのんびり過ごしていた朝の食卓の話だった。
 正面に座る義母さんが突然そんなことを口にして、私は箸で掴んでいた漬物を取り落とした。

「――は?」
「だからヒナちゃんには雪ちゃん以外に、双子のお兄ちゃんがいるのよ」

 そんなことはわかっている。
 いや、やっぱりわからない。
 朝の風景にしてはやけにぶっ飛んでいないかしら?

「どういう……事?」

 冗談かと思ったけど、その線は真っ先に消した。
 『家族』関係の話で義母さんが私に冗談なんて言うはずがない。
 私の過去を知っているから。
 本当に優しい義母さんだ。

「んー、私も雪ちゃんに聞いたんだけど」

 そんな義母さんは可愛いらしく小首を傾げ、言葉を紡ぐ。

「何でも、ヒナちゃんが産まれた時に双子として男の子も産まれたらしいの」
「―――!」

 初めて知る事実。

「でも何でか知らないけれど、ヒナちゃんの…本当のご両親は、ヒナちゃんだけを育てることにして男の子の方は他人の家庭に渡したらしいの。子供を授かってなかった家庭に」

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