短編
□真夏の夜の夢
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そう、これは夢。
誰にも止められない、二人だけの夢なんだ。
…
一つのベッドに二人で入った。
熱帯夜なのにね。
大好きな君の桜色の髪を愛しく撫でて。
愛する貴方の、水色の瞳に見つめられて。
布団を被る。
省エネ設定にした冷房なんか、全く効かない。
汗ばんだ身体を気にもせず貴方に抱き着く。
汗ばんだ身体を気にもせず君を抱きしめる。
熱帯夜なんて、関係ない。
汗をかいたなら、明日にでも洗い流せばいい。
冷房なんて、全く効いてない。
なら、いっそのこと消してしまおう。
これから始まる二人の宴(ゆめ)に、そんな雑音は必要ない。
さぁ、早く寝よう。
ねぇ、早く寝ようよ。
『貴方の(君の)寝顔を見たら寝るから(さ)』
だから、早く寝ようよ?
私を(僕を)幸福な夢の中に誘って…。
…
結局、二人同時に寝てしまった。
誘われることなく、互いに手を繋ぎながら。
そして、朝目覚めたら愛する人が隣にいる事を確認する。
さぁ、そこからは夢の続きだよ?
だから今は…。
夢の中での生活を、楽しもう。
…ま、そんな幸せそうな寝顔を見れる限りは、いう必要はないのかもしれないけど。
「んふふ〜ハヤテく〜んw」
「ヒナギクさぁんw」
…ふぅ。
暫く熱帯夜は続きそうだ。
end