短編 2nd
□お節介と夕日と私。
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そんなわけで、私と綾崎君はヒナギクの考えたデートプランを実行している。
任務は、千葉県某所のテーマパークで遊ぶこと。
実はその前にも何度かプランを提案してもらっていたのだが、「焦らせば焦らすほど人は素直になるのよ♪」と真っ黒な笑顔で言う愛歌さん、もとい黒愛歌さんの手によってことごとく台なしにされて来たのだ。
自分から言っていて何しとるんじゃと叫びたいところだが私も人間、自分が一番恋しい。
そう思い続けて今日この日。
私は遂に、愛歌さんに抗うことを決意した。
『まだダメよ。ヒナギクがもう我慢出来ないくらいに綾崎君を求め始めるまで焦らすの♪』
愛歌さんの人が悪すぎるお言葉、もといデートという名目の作戦内容を思い出す。
(……もう十分じゃないのだろうか)
現在昼食を兼ねて、園内のファーストフード店で足を休めているわけなのだが、
「?どうかしましたか、春風さん」
「いや……」
綾崎君の質問に答えながら、私は彼の後ろに注目していた。
華の女子高生らしき女の子が二人、一人は楽しげに、そしてもう一人がプルプル震えながらこちらを見ていた。
ま、当然愛歌さんとヒナギクになるわけなのだが。