俺と僕と
□宙ぶらりん
1ページ/5ページ
涼介のはじめては一体どんなものだったのだろうか。
最近よくそんなことを考えてしまう。
僕がはじめて恋をした相手は涼介だ。
はじめて手をつないでデートをしたのも、キスをしたのも。
涼介は違う。
僕の知らないところでたくさん恋をして、何人もの人と手をつなぎ、キスをしながら体温を分かち合ってきたんだろう。
僕のものになったときには、いっつか涼介にとって、僕ははじめてではなくなっていた。
「俺さ、知念が最後の人だと思ってるよ」
涼介が言ってくれたこの言葉を信じているけど、やっぱり不安はそう簡単には消えてくれないんだ。