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某会社の飲み会がお開きになった。
二次会だあっと騒いでる連中もいるが……
アイツは無理だなと上條は溜め息をついた。
「佐々木部長」
「おうっ!お前、もう帰るのか?」
「すみません、高橋を送って帰ります。あんな状態なんで」
部長は高橋をチラリと見て心配そうに
「あれは一人で帰らせれないな」
と言った。
「ミカちゃん、帰んの?」
と同僚の馬場が話に入ってきた。
「これじゃあ無理だろ?」
と言うと
「大丈夫ですよぉ〜フフン♪」
と高橋が口を挟んだ。
「大丈夫じゃなさそうだな」と馬場も溜め息をつく。
「お前の代わりにミカちゃん送って帰ろうか?」
「大丈夫だ。俺が送る」
「お前、帰ったら不味いって。けっこうお前目当ての後輩の女子もいるしさぁ」
「皆には悪いが、俺は帰る。来週から出張で忙しくなるからな」
「そんな。」
「部長、お先です」
「おっ分かった、気をつけて帰れよ」
と部長は上條に手を降った。
「ミカちゃんを抱くなよ?」
と馬場がニヤニヤする。
「さあな」と笑い「冗談だよ!手なんか出すか」と笑ってつけ加えた。
歩いて帰るしかないな。
こっからだと、俺の家が先で……ミカん家はもうちょい向こうか、と上條は考えた。
「おい!ミカそんなとこで寝るなよ?」
「寝てないですよっ」
と機嫌が悪い。
溜め息をつく。
ベンチに座ってるとはいえ、ミカの姿は酷い。
スカート履いてるんだったら脚を閉じろよっと上條は思った。
「大丈夫か、立てるか?」と尋ねると
「立てますよっ」
とフラフラっとなりながらミカは立った。
「お前、酒はほどほどにしろよ」
と注意する。
「先輩に言われたくないですよっ」
「俺は酒に強い。少なくともミカよりはな」
と言う。
「私も強いですよ。勝負しましょうってんですよ」
とミカはムキになった。
「馬鹿。お前やめとけ。これ以上飲んだら病院行きだぞ」と言う。
ミカは俯いた。
上條はミカの頭をポンポンと撫でた。
二人は無言で歩き続けた。