□記憶の中の…
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「ナツ」



そう言って俺に笑いかけてくれたあなたは誰ですか





記憶の中のあなた



俺には覚えのない記憶がある

俺の本名を知っていて

いつでも俺に笑いかけてくれた

でも、あなたの顔が分からない

笑いかけてくれるのは雰囲気で分かる

でもそのあなたの顔は白くもやにかけられたように思い出すことが出来ない

彼は一体誰だったのだろう

考えて考えて

でも思い当たる人物は誰もいなくて

そんなときリボーンという家庭教師がやって来て

あれよあれよという間にマフィアだの守護者だの言い出して

そんな中知り合ったのが雲雀さん

名前は知っていた

並盛の裏の支配者だってのも聞いたことがある

そんな人が俺の守護者になった

初めてあった時

俺は怖くて

逃げ出しそうになった

でも出来なかった

彼が、雲雀さんが一瞬だけど寂しそうな泣き出しそうな顔をしたから

見間違いかと思った

けど、見間違いなんかじゃない

その後も会うたび雲雀さんは俺に何かを求めているようだった

そんな雲雀さんの顔を見るたび胸が締め付けられた

俺の心の中から何かが抜け落ちている

そう自覚したのもそのときだった

でもその何かが分からない

そんなことを家のベッドの上で考えながら

大好きなイチゴ味の棒付きキャンディーを口にいれた

何時もは甘く感じるイチゴ味なのに

この日だけは少し酸っぱく感じた








(僕は君を覚えている)


(あなたは誰なんですか)


(けれど、君は覚えて居ない) 
 

(あなたに会いたい)



((だから))





(戻らないあの日々に思いを寄せた)


(あなたを知りたい)






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