捧げ物

□小さな光
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松陽先生が死んだ



悪性の癌だった



もちろん塾は潰れ、桂や高杉とはあわなくなった



10歳になったばかりだった俺は引き取り手がおらず結局松陽先生の遠い遠い親戚に預けられることになり引っ越すことになった




俺は名前を吉田銀時から坂田銀時に変えられた



そこで俺はまた1人になった。





今まで松陽先生と暮らしていた俺は小学校なんて行ってなかった。


小学校なんか行かなくても塾で先生が勉強を教えてくれていたから



しかし先生が死んでしまって小学校に行かなければならなくなった




そこに桂か高杉が居たなら心強かったかもしれないが俺は引っ越してしまったため2人とも居るはずがなかった。






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「うへぇ〜何その頭気持ち悪〜い」

「近づかないでよ!!!」

「うわっ喋った!きもっ」





毎日学校に行けば罵声を浴びさせられ


家に帰れば文句ばっかり言われていた



教師も見て見ぬふりをしていた




そうこうしている間に俺は中学生になった


その頃には俺は喋ることを忘れていた


毎日罵声を浴びるのにも慣れてしまい


最初は痛んでいた心も今では全然痛まなかった


周りの奴の行動は日を追うごとにひどくなっていた

毎日殴る蹴るは当たり前。


ナイフで少し刺されたこともあった


でも家の人には言わなかった


言えば文句を言われるから…





中学を卒業する頃には俺には感情という感情がなかった
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