頂き物

□夢と過去
2ページ/5ページ

いや
子供でもただの子供ではない。
何と
耳とふわふわしたしっぽがついている。

「……え?……えぇ〜!?」

よく見ると見た目は幼き日の自分とあのバカどもに似てるではないか。
何事かと見ていると、子供たちを優しそうに見ていた男と目があった。
その時、その男はにこりと微笑んだ。
その人は銀時の育ての親である先生そのものだった。

どうやら似てて非なる世界に来たようだ。

でも帰り方も分からない今、時の流れに身を寄せるしか無かった。
すると、徐々に景色が変わり、子供たちも大きくなってきた。
徐々に耳なども隠せるようになってきたとき。
悪夢のような事件が起こったのだ。
焼ける一軒家を見ながら、銀時は自分の子供の頃を重ねていた。
目の前で殺される育ての親。
下品な笑みを浮かべた醜い生き物。
そして憎しみ。
あぁ
あいつらも感じているのだろうか。
やはり見た目が同じ彼らも。
それから下界に行くと、彼らは人間と同じ格好をして生きるようになった。
あの日から何日が経ったのだろうか。
遠くから硝煙の臭いがする。
懐かしい、でも大嫌いな臭いが。

(やはりか)
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ