捧げ物

□小さな光
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俺は生まれたときから1人だった。

親の顔なんて覚えてなかった。

物心ついたときにはもう施設だった。

施設の人間は俺に冷たかった。

みんな俺のこの髪の毛と目を見て近寄らなかった。


そんなとき1人の人間が俺を施設から出してくれた。


名前を吉田松陽といった



そいつは俺に”銀時”と名前をつけた



「あなたはこれから吉田銀時です」


「ぎんとき?」


「そうです。もう1人じゃありませんよ」


そう言って俺を抱きしめた。



それが俺が8歳のときだった。







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そいつは小さな塾の先生をしていたから


俺はそいつのことを松陽先生と呼んでいた。



「おい銀時!こっちで授業サボろうぜ!」

「何を言っておる晋助!銀時、サボるなんて許されないからな」

「ヅラは黙っとけ、なあ銀時遊ぼうぜ」

「ヅラじゃない桂だぁー!」



この頃塾に通っていた桂と高杉。


こいつらはなんか知らないけど俺のことを嫌わなかった。


一度この髪の毛と目について聞いてみたことがあった。




「ねぇ、この髪の毛と目気持ち悪いとか思わないの?」

そうすると馬鹿にしたような目で

「何言ってんだぁ?馬鹿じゃねぇの?」

「綺麗ではないか」



と言っていたそのとき俺は



「変な奴ら…」



と言ってしまったが内心凄く嬉しかった




ここに来る前は俺は笑うことを知らなかった。



けどここにいて笑うということを知った。



今までにないくらいの幸せ。




俺はこの幸せがずっと続けばいいと願っていた









だが、そんな願いが崩れ去ってしまった。



俺がここに来て2年たった頃だった。
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