頂き物

□変わった日常、変わらぬ幸せ
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「銀時、早く起きなさい。ご飯にしますよ」

外は桜が舞う4月。しかし、いつも変わらぬ 万事屋銀ちゃんの朝である。

そのオーナーである銀時を起こす栗色の髪 の男性。

「んー……あと半日くらい……」

「1日がほとんど終わってしまいますよ…。銀 時。いい加減に起きないと昨日貰ったお饅頭 、皆で食べてしまいますからね」

男性がそう言った瞬間、銀時は飛び起きた 。

「それは酷いです!

――――――――――――――先生っ!」

【変わった日常、変わらぬ幸せ】

「酷くなどありませんよ。…おはよう、銀時 」

「……おはようございます」

少しムッとした表情の銀時に、先生と呼ば れた男性は微笑んだ。

「さぁ、朝食にしますよ。顔を洗って来てく ださいね。私は神楽ちゃんを起こしてきます から」

「はーい」

そして銀時は洗面所へ行って顔を洗う。

向こうでは男性がソファで寝ている神楽を 起こす声が聞こえていた。

それを聞いた銀時はどこか嬉しそうな笑み を浮かべる。

何故なら、あの男性は『先生』の示す通り 、銀時の師である吉田松陽だからである。

松陽は死んだはずだったのだが、どう言う 訳か将軍・茂々に助けられて生き延びていた らしい。そしてついこの間、将軍からの命で 万事屋3人と桂小太郎、高杉晋助は真選組に連 れられて江戸城へ行き、そこで銀時たちは師 との再会を果たしたのであった。

最初真撰組が来て、桂と高杉を呼べ、と言 われたときは驚いたが、その後の「将軍から の命令だ。別にしょっ引きに来たわけじゃね ェ」と言う言葉には更に驚いた万事屋3人。

しかし、彼らの真剣な表情を見て、これは 何かあったと感じた銀時は2人を万事屋に呼び だした。

因みに高杉とは紅桜の2カ月ほど後、話を聞 いた坂本辰馬によって強制的に仲直りしてい たので、3人はお互いに連絡先を知っていた。

という事で万事屋へ来た2人は真選組がいる 事に驚いていたが、捕まえる気がないと知っ て大人しく彼らについて江戸城へ行った。

松陽と再会した後、小太郎と晋助は攘夷を 辞めると決めた。

真選組もそれを聞いていたし、またその場 には松平もいた為、全ての警察機関が2人を追 う事もなくなった。

銀時はそれを聞いて安心し、松陽も良かっ たと微笑んだ。

その時一緒に来ていた神楽と新八は、銀時 達が松陽と出会えたことに嬉しいと感じなが らも、心の奥では万事屋はどうなってしまう のだろうと言う不安も同時に抱えていた。

しかし、銀時は松陽と酷似した優しい、見 ているこちらが安心するような笑みを浮かべ ると、2人を手招きした。

「先生、コイツ等が今の俺の家族で、一緒に 万事屋やってる新八と神楽」

そしてそう言って松陽に2人を紹介した。

松陽は微笑んで、

「吉田松陽と言います。一応銀時の先生です 」

「「「一応じゃないです!」」」

銀時たちのツッコミに、松陽はそうですか ?とのほほんとしていた。

「あ、僕は志村新八って言います!銀さんと 万事屋やってます」

「私は神楽いうアル。私も万事屋ヨ」

銀時達がじゃれてる(?)中、新八と神楽 も名乗る。

松陽はよろしくお願いします、と言った。

「それで、万事屋はどうするんですか?」

新八と神楽が聞きたくても聞けなかったこ とを松陽が聞いた。

「へ?万事屋?続けるよ?勿論」

銀時は普通にそう答えた。

神楽と新八は驚くとともに嬉しそうに笑っ た。しかし松陽はその答えが分かっていたか のように微笑んでいるので、2人が聞きたかっ たことも、それに対する銀時の答えも分かっ ていたのだろう。

「先生は?どうするの?」

「私ですか?どうしましょうかねぇ…」

「先生!俺と一緒に住みますか!?エリザベ スと言う俺の相棒m―――「アイツはただの ペンギンのお化けだろ」銀時!遮るな!」

「いや、ヅラの所よりも鬼兵隊に―――(銀 ・ヅ)「「それも駄目だ!」」」

「こら、3人とも。……まったく…変わりませ んね、あなた達は」

まぁ、そんなこんなでいろいろあり(←オ イ)松陽は万事屋に来ることになり、万事屋 銀ちゃんは4人+1匹でやっていくことになったのだった。
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