短編小説
□叶わぬ恋
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ここは、ちょっと有名な会社。
そこに、恋する 24歳のOLさんが1人…。
彩「部長、資料整理、終わりましたので、点検をお願いします。」
この女性は大田 彩奈(おおた あやな)。
この会社で働くOLの一人である。
部「ん、何かあったら呼ぶよ。まぁ、大田さんのことだからミスはないと思うけど…。じゃ、次はこれをお願いしようかな。大田さんには期待してるからね?」
彩「はい!」
彩奈は部長に任された仕事をやるために、自身のデスクへと向かい、座る。
彩「さぁて、頑張るぞ!」
彩奈は気合を入れて、PCに手をかける。
貴「無理、すんなよ?」
この男性は、彩奈の同僚の保田 貴紀(やすだ たかのり)。
言葉はきつかったりするけど、心優しく、ギャグ線の高い素敵な男性。
そして、彩奈の好きな人。好きになった理由は、新人の頃。
貴紀は、仕事を失敗して、上司にこっぴどく怒られていた。
上司の言葉がすごくきつく、正直、怖い。
だけど、貴紀は怒られた後、めげずに次、頑張ろうと失敗を怖がらず仕事をする彩奈とは正反対の貴紀が輝いて見えたのだ。
彩「ありがとうね」
貴「…。」
でも…彩奈の恋は叶わない。なぜなら、貴紀は、既婚者だから…。
貴紀はとても愛妻家で彩奈の割って入る隙はないのだ。
ー社内食堂
彩「奥さん…うらやましいな…」
彩奈はぼそっと言い放つ。貴紀のこと考えながらお昼ご飯を食べる彩奈。
そこに…
貴「ここいいか?」
貴紀が相席いいかと尋ねてきた。
彩「え!?う、うん!いいよ!」
彩奈は貴紀のことを考えているときに来た本人に驚き、声が上ずる。
貴「ん、さんきゅっ…。」
貴紀は椅子に座り、昼食を食べる。
貴「…お前、あんま無理しすぎると、体壊すぞ?」
と貴紀が言う
彩「ん?う、うん。ありがと。でも大丈夫!」
彩奈たちはその後、無言で食事を食べ終え、デスクに戻る。
すると…
部「あ、大田さん!」
彩「は、はい!」
部長が彩奈を呼ぶ。
彩(やっばーい。私なんかしちゃったかなぁ…?)
部「期待していたのに…君には…失望したよ…」
そう言い、彩奈の前にたくさんの紙をばらまく。
その紙は、朝に、部長に点検を頼んだ資料と、そのあとに部長に頼まれ、やっていた資料の2つ。
彩「…あっ」
部「なんだね?これは。これもこれも全部、いったいいくつのミスをする気だい?何を浮かれてやっていたのか知らないけど、こんな仕事もちゃんとやれないのかね?」
彩「す、すみません…」
部「これ、全部今日中に直しなさい。」
彩「…はい」
失敗した資料の数約150枚。それの中の一枚に必ず、5つ以上のミスをしてしまっていた。
全部を今日中に直すのはかなり困難である。
彩「はぁ…。私、どうしちゃったんだろう…。」
貴「…。」
貴紀は静かに、落ち込みながら失敗した資料を直している彩奈を見つめていた。