短編小説
□あなただけをずっと見ていたい…
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とある国のとある町にある女性がいました。
名前は田中 佳音(たなか かのん)。
好きな人のことを四六時中見ていたいというストーカー行為に走ってしまった危ない人なのである。
現在も…
佳「ふふふ…いつみても…かっこいいなぁ…」
佳音の今のターゲットは…
山本 和也(やまもと かずや)。
小さい頃から少年の彼は、今もバスケを続けている。
そんな彼を佳音が好きになったのは、約5年前。
佳音が高校生だった頃の夏、急いでいた佳音は廊下の角で和也にぶつかってしまい、その時、和也の上に覆いかぶさる形になり、佳音は和也の顔を見て一目惚れ。
それからずっと、和也に恋焦がれているのだ。
ただ今、佳音は和也のストーキング中。
和也は、スーパーの中で食材の買い出し中。
佳「…今日は、カレーかな…?和君が作るのかな…?私も食べたいなぁ…ふふ…ふふふ…」
和也は買い出しを終え、家へ帰る。
和「ただいまー」
誰もいない部屋の中に和也の声が響く。
そして、和也は部屋の電気をつけて買ってきた食材を冷蔵庫に入れる。
その時…
トゥルルル…
電話の着信を知らせる音が部屋中に鳴り響く。
和也はあわてて電話に出る。
和「もしもし?」
綾「…」
返事が返ってこず、和也は不審に思う。
和「…もしもーし?」
不審に思いながらも、もう一度声をかけてみる。
すると、受話器の向こうから、声が返ってくる。
佳「…はぁはぁ…和君…おかえりなさい…きょ、今日の夕飯はな、なんなのかな…?」
和は、一瞬、顔をゆがめる。だがすぐに表情を戻し、口を開く。
和「ただいま。うーん、そうだな、今日はカレーかな。
友達と一緒に食べるんだ。君も、一緒にどうだい?」
和は冷静に答えた。和はストーカー経験者で、こういうことはよくあり、手慣れている。
佳「えっ…わ、私も、行っていいの…?」
和「いいよ。みんなで食べた方が美味しいしね。」
(ひどくなる前に、警察に…)
和は佳音を誘い、来たとこを警察に捕まえてもらおうと考えていた。
佳「ありがとう…じゃあ、私も、ご一緒…させていただきます…」
和「うん。じゃあ、今から作るから、うーん、そうだなぁ。8時頃に家に来てくれるかな?俺の家、わかるよね?」
綾「うん、わかるわ。じゃあ、8時頃にまたね」
和「うん。また。」
そう言い二人は電話を切った。
その後すぐに和也は警察へ連絡をした。
和也は7時半頃にパトカー以外の車で来るように伝え、電話を切った。