ブラコン

□じっとしてて
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「ふぅー、寒い....」

学校帰りに友達と新しくできたカフェに寄ってたら遅くなってしまった
あらかじめ、雅臣さんに連絡入れておいたので大丈夫だろう
いつもの駅の前を通りかかった、そのとき

「あ」

「え、......ん?.......風斗...?」

正面から歩いてきた男の人は、変装してて瞬時に判断できなかったけど
風斗だ。

「なにその感じ、僕のことわかんないわけ?」

「いやいや、変装してるじゃん」

「まあ、そうだけど」


「ね!あれ朝倉風斗じゃない!?」
「え?ほんとだぁ!」

近くを通りかかった女の子たちが声をあげた
.............すごいね

「うわ、やば 行くよ!」

「え?うおっ」

風斗に手を引っ張られて走り出す





「はぁっ......ここまでくればもういいかな....」

「ふぅ.....」

私達が今いるのは見晴らしのいい高台にある公園。

「......遅いよ走るの それに、『うおっ』って何?ほんとに女子高生?どう聞いてもおっさんだよ」

「............」

言い返す言葉がありません。はい。
さすがに「うおっ」はなかったな.....

「ま、いいけど」

「あ、見て 風斗!」

私が見つけたのは公園から見渡せる街
もう暗いので灯りがついてキラキラ輝いている

「きれいだね」

「そうだね」

相変わらず、ぶっきらぼうに答える

フワッ
いつの間にか私の後ろに回り込んでいた風斗は後ろから私を包み込むよに抱きしめた

「!.........どうしたの?」

「寒いし、寒そうだから じっとしてなよ。」

「そんな薄そうな服きてるからだよ」

「しょうがないだろ。それに、アンタの服装もじゅーぶん寒そうだけど?」

「制服だからしかたないでしょ。それに、中にいろいろ着てるし....」

「ふーん、寒くないの?だったら離すけど」

「...............寒い....」

フッと笑う風斗
そして、さらに強く抱きしめてくれる



「ねぇ、風斗。そろそろ帰る?」

「もうちょっと...... それとも帰りたいの?僕とこうしてるのイヤ?」

私の答えをわかってて聞いてくる

「いやじゃないです....」

「ふーん♪」



いつか見返してやる....なんて思ってるけど、この状況そんなに嫌いじゃない
優しいのか意地悪なのか...
そんな風斗に私は溺れちゃってる

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