Short story


□恋愛方程式
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 いかにもありそうな普通の部屋。其処の中央には冬ならではの暖かい炬燵が配置されている。
11月下旬の不安定な気候の所為で体調を崩さないかと心配してくれた祖母の計らいで押し入れから出して貰った物だ。

 其処にはジッと教科書と睨めっこしている黒子と其れに対してまるで家庭教師のように指導している赤司がいた。
 そう、この時期は期末テストという学業の苦手な人には大変な時期なのだ。赤点なんか取れば冬休みは補習の地獄と化すだろう。(もう教科書アレルギーと言える程の勉強嫌いな彼は大丈夫だろうか)


「黒子、手が止まってるぞ」

「あ、すいません…」


 宙に浮かんでいる意識を再度気を引き締め教科書を見る。
 勉強を初めてから2時間程であるがもう基礎は全て叩き込まれた気がする。先生に聞いても分からなかったものでも赤司君なら何でも分かる気がした。

 まぁ、先生には聞いてませんけど


「其れにしても黒子は呑み込みが早くて助かったよ」


 少し休憩するか、と言ってペンを置いた赤司君に釣られて休む事にした。
 はぁ、と息をつき軽く伸びをするとポキッと背骨が鳴る音がして赤司君にクスッと笑われた。随分と肩も凝っていたようだ。


「すいません、わざわざ教えて貰って…ありがとうございます」

「平気だよ?俺はもう一通り見直したし……黒子のお願いを聞かない訳ないよ」


 そう言って微笑む赤司君。あぁ、もうっ写メ取って引き延ばしてポスターとして貼りたいっ!

 そんな思いを知っているのか、将又鈍感な赤司はふんわりと微笑み、今まで部屋の冷気に当てられていた両手を摺り合わせていた。


「…寒いですか?」
「まぁ、ね。もう直ぐ冬だしね」

 寒いのは好きではないんだ、と言って窓の外をチラと見た。
 寒いのは嫌、温かいこと、暖かいこと…

 不意に黒子は赤司の手をぎゅっと握った。えっ、と目を丸くする赤司が可愛いらしくてつい笑ってしまった。

 あっ、そうだ
 これよりももっともっと…

 ギュウッ!
 黒子は隣にいる赤司を抱き寄せた。まるで茹で蛸のようになってしまった彼は状況を理解出来ずに挙動不審に黒子を見たり目を泳がせたりしている。
 赤司君、君は本当に恋愛に関しては疎いんですね。

 そっと暖かいですか?と、耳元で囁くと胸元に顔を埋めてコクンと小さく頷いた。
 さっきまでの勉強を教えてくれた学校でもお馴染みの冷静沈着な赤司と自分だけに見せる表情の赤司のギャップに思わず頬が緩んでしまう。


「…何笑ってるんだ」
「すいません、大好きな赤司君が可愛いてつい…」
「…!?!?」


 ふと黒子の腕の中でムゥと拗ねて見上げた赤司は黒子の一言でまた頬が染まっていく。
 恋愛に免疫がない赤司は黒子の甘い言葉に顔を真っ赤にしてくらくらしていた。


「ばか、ばか黒子…」
「ばかで結構です。」


 そのままチュッと可愛いらしい口付けを。もう赤司君には何かを言う気力はなくなってしまって。僕にされるがままになっていた。

「んぅ…ふ、っん」

 初めの可愛いソフトキスより、甘い甘いキスの方が好き。唇をこじ開け歯茎をなぞるとビクンと腰が引く。
 だけど構わずもっともっと奥へ





 暫く部屋中に水の音が響いた後、もう無理と背中を叩く手に名残惜しくも口を離す。
 赤司君の口から飲み切れなかった唾液と二人の間に延びる銀の糸がテラテラと光り、とても厭らしかった。


「…今日、おばあちゃんが居て良かったですね」
「ん…どうして?」
「赤司君をこのまま襲ってしまいそうですから」
「!?」


 意味を理解した赤司君はまたばか、と言って黒子の腕から抜け出しす。 もう少し甘えてくれても良かったんですけどね


「熱い、炬燵の温度下げて」

 分かりました、と言って少し設定温度を下げて、ふと思い出したように赤司を見た。


「あれ、赤司君寒いの苦手な筈じゃ…」
「っ…黒子といたら熱くなったんだっ」
「それはすいませんでした」


 着々とやってくる極寒の冬。君が少しでも寒い思いをするのが減るようにと、僕は勉強の為だと偽って君の側で暖めてあげます。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 甘々の黒赤ちゃん!
ちゃんと甘々に出来たか心配です…
 二人が幸せならそれで良いっ!次いでにテスト勉やってくれないかな?(爆)書いてて楽しかったです。

 ではまたっ


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