泥棒さんの短い夢

□君は宝物
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夜更けに貴女は視線を感じて目を覚ました。

「お 起こしちまったか…イリスちゃん」

薄暗がりにサル顔がニッと笑った。
「…ルパン」

ここは天下の大泥棒ルパン三世のアジトでイリスに与えられた部屋。
そこでルパンは明かりも点けずイリスの寝顔を見つめていた。

−こんなに肌寒いというのに…いつからだろう?

イリスはルパンの頬に手を伸ばした。

冷たい頬だった。



「どうした?」
ルパンがイリスの顔を覗き込む。
こち、と額がぶつかると同時に二人は微笑んだ。
そのまま見つめて軽くキス。

ルパンの頬に触れたままの手が少し温まる。


「ありがとうルパン…私を盗んでくれて」

イリスはそういうと不意に真面目な顔になって、そのままルパンを引き寄せた。

「イリス…」

引き寄せられるまま彼は深く熱く、そして甘く口づけを落とす。


吐息が漏れ、ふわりと毛布が舞うと優しく二人を包み込んだ。


毛布の中でイリスは甘えた声でいう。
「私を離さないでね」

ルパンはギュッとイリスを抱きしめた。

「離すもんか…俺の一番の宝物だからな」










…END
 

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