★おはなし★

□君の瞳は満月#1
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「なんやて!?」
リホの冒険談を笑いながら聞いていたナルが急に大声を出した。

「ビックリした…
何?
私の点数が悪いから?」

「ちっが〜う!!
その先生の目の色が変わって魔法使ったって!?
ほんま??」

ナルはリホに詰め寄った。

「う…うん。
多分」

「たぶん…じゃ困るんや!!ハッキリ見たんやな?」



「…なんか…自信なくなってきた」

「っか〜〜!!
頼りないやっちゃ!
しゃあない…俺が確かめてみるか…」

「…………どうやって?」

「先生の家まで案内頼むわ、リホ………
………って!!
道わからんのか〜!!」

「そうだよ。
魔法が切れて元に戻ったからね」

「あああ〜
俺の魔法が完璧過ぎた悲劇や!!
……かくなるうえは!!
明日リホの学校に連れて行ってもらお!」

「…はぁぁ?
猫なんか学校に連れてけないよ!!」

頼む…とすがりつくナルを手で払った。

「学校に連れてってくれたら……さっき言うてたリホのテストの点数あげたるわ!」

「えっ!そんなことできるの?」

「できる!!
百点はやりすぎやな…八十点で………どや?」
取引を持ち掛けるナルの目がキラキラ光る。

「う…わかった!
連れていってあげる!
そのかわりテストは頼むからね!」

「よっしゃああ!!
そうと決まれば…はよ寝よ!」

ナルはくるんと丸くなって目を閉じた。
「早っ!」
リホも布団を被った。



こうして
リホはナルを連れて学校に行くことになった。

何故ナルがそれほどまでに先生に会いたいか…深く考えることもなく、今夜の不思議体験に興奮しつつ…しばらくして寝息をたてはじめた。












………#2へ続く………
★あとがき★
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