小説(学園)

□微笑みの爆弾 act3
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【微笑みの爆弾】
《act3》


唐突過ぎるあのキスから、3日が過ぎたというのに、俺はこの感情に折り合いが付けれず、結果として黄瀬を避けまくってる。


換気の為か、体育館の非常口を全開にしてるそこから、練習風景を見るのが日課だったが、今ではそれすらない。


にも関わらず…黄瀬の声がすると俺の足はピタリと止まり、それでも黄瀬の顔が見れないのだから、自分でも情けなくなる。


「アホやなぁ幸生は」
「それは大輝にでも言え」
「顔合わせる度に言うとるでぇ」

まさか幼なじみ兼親友から、アホ扱いされるとも思ってなかった俺は、黄瀬を避ける理由を言うんじゃなかったと後悔しても手遅れで…。

この場に居るもう1人は、話を聞いてるのか聞いてないかが解らないほどに無反応。


「せやけど、どないするん?。
ずーっと避けとるワケにもいかんやろ?」


翔子の言葉を受けて、グッと言葉に詰まってしまう。


「簡単だ」


そこで漸く言葉を発したのは、今の今まで無反応だった千尋。


「お前が告白すればいい」


どや顔で何を言い出すのかと思ったら、俺からの告白って…。


「好きだから動揺してるんじゃないのか?」
「普通に考えても、あんな真似されたら動揺ぐれぇすんだろうがっっ!!」

儚げな容姿で可愛らしく首を傾げる千尋だが、その内容が内容だから可愛いとは無縁だっ!!。


「ほんなら、もし岡村やったら?」
「股間を蹴る」
「死ぬんと違うか?」

「もしもじ…小堀だったら?」
「千尋。
今地味って口走ろうとしただろ。
小堀だったら蹴らねぇけど…怒る」
「岡村とは偉い違いだな」

「せやったら、なぁんで黄瀬くん時は逃げたん?」
「なんで…って…」

そういや、なんで俺逃げたんだ?。

「どないしたら解らんから逃げる…と違うか?」

いつになく真面目な顔でそう諭してくれる翔子に、俺は素直にコクリと頷いた。


「ちゃんと自分と向き合え」
「千尋…」

「後悔してからやと遅いんやで」
「翔子…」

優しく俺を諭す親友達を見て、俺は


黄瀬が好きだ


そう不意に思った。

翔子や千尋に向ける愛情でも、父さんやじいちゃん…充洋と慎也にも向ける愛情とも違うそれ。


「好きだって…今からでも間に合うか?」

俺の弱々しい言葉に、2人は笑って頷いてくれたんだ。



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