小説(WC後)

□一斉の声 2
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モデルの為に、食事にも気を遣う黄瀬だが、流石に練習後という事もあり、食べる量は…黒子より多い。

パクパクと揚げたてのマジポテトを食べる黄瀬に、桃井は思い出したように…


「海常はどうだった?。
新入部員」

そう聞いた。


「中村新キャプテンが、キレる寸前だったっスよぉ」


IHベスト8
WCベスト4

結果としては、まぁまぁだが…それでも…バスケ名門の海常。

推薦で2人
一般からでは…18人

そして、中村をキレる寸前にまで追い込んだのは、マネージャー希望の女子だ。


『リバウンドを知ってるか?』
『え?』
『サッカー?』


中村の問いに、全員がとんでもない答えを返してきて…


『じゃあ、マンツーマンオールコー』

『あ、黄瀬くんだ!!』
『黄瀬センパァァイ』
『マジかっこいい!!』


中村の言葉を聞かずに、外周から帰ってきた黄瀬に、黄色い悲鳴をあげるのも…マネージャー希望全員。


『マネージャーは今年取らない!!』


キレる寸前にまで追い込まれた中村は、そう宣言すると…女子達を全員追い出した。


『大丈夫っスか…キャプテン?』
『女が嫌いになりそうだ…』

1年は…マネージャーが不在のまま過ごす事に、目に見えるぐらいにガッカリしていたが、2年と3年にとっては…マネージャーは1人しか居ない。


バスケの知識も豊富で、何よりもあの統率力を持つ…3月に卒業してしまった笠松幸生。


彼女だけが、2年と3年が認める…海常のマネージャーだ。


「中村さん…大変ですね」
「うん」

黄瀬から話を聞いた黒子は、しみじみと中村に同情し…桃井もそれに同意した。


そんな時だ。


「うちも似たようなもんだぜ。
な…真ちゃん?」

ゲラゲラと笑いながら、後ろの席から言われて…3人が揃ってその席に目を向ければ

秀徳2年となった
高尾和葉と緑間真太郎がいて…。


「高尾っちと緑間っち!!。
何時から居たんスか?」
「黒子達が来る少し前から。
いやぁ、何時気付くかなぁって思ってたんだけど、全然気付いてくれねぇのな」

高尾の言葉は責めるようにも見えるが、その声は至極明るいもので…。

「秀徳も海常と似てるの?…和ちゃん」

桃井のその問いに、待ってましたとばかり、高尾は椅子をズズッと座りながら少し後ろ…黒子と黄瀬側に寄らせた。


「新入部員は海常とほぼ一緒。
しかも、マネージャー希望は全員が真ちゃん目当て!!」

余計な事を言うな

しかし、緑間のそんな強い視線さえ、黒子と黄瀬…桃井に目を向いている高尾は気付かず…

本日の秀徳について語り始めた。




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