飛べない烏は夢を見る

□ドライブトーク!
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 やっちゃんが正式に入部して数日後、テスト期間が始まり……本日はテスト返却の日



 ドクンドクン……


 「ハーイ、じゃあテスト返すぞー」


 だんだん呼ばれていき……


 「浅川ー」

 『……っはい!!』


 名前を呼ばれ、教卓でテスト用紙を貰う


 大丈夫、大丈夫……赤点にはなってない……よね?







 「オオッ、あれはもしや……スカイツリー!!?」

 「いや、あれは普通の鉄塔だね」


 田中の発言に音駒の副将、海信行が否定した


 そして、その中で………


 「かな、かなーーーっ!!!」


 西谷が叫んだ


 「……ていうかオイ、なんか人足んなくねーか?よく跳ぶチビちゃんとセッターの奴と……もう一人のマネは?」

 「実は……」





 今回のテストの赤点は1年が40点、2年が50点に対し


 日向翔陽 21点
 影山飛雄 38点
 浅川かな 47点



 テスト返却日の部室にて


 「あれ、日向は英語?自信あったんじゃ……!?」

 「終了間際に解答欄が1個ずれてた事に気付いたみたいで」


 菅原さんの言葉に月島くんが応えた


 「マジか……!英語の小野先生そう言うの許してくれないんだよな……」

 「谷地さんもスゲーショック受けてました……」


 旭さんと山口くんも口々に言った


 そして


 「影山は現文か……」

 「今回やたら読解問題が多かったっぽくて、西谷と同じで暗記系に絞ってたみたいなので……」

 「おーっ、漢字は満点だ……!」


 大地さん縁下くん旭さんが影山くんのテスト用紙を見ながら言った


 「……で、浅川はどうしたんだ?」

 「数学か………お、苦手って言ってた計算は大体合ってるな」


 私のターン回ってきた!!


 『私は日向くんと一緒で、解答欄のズレで……!やらかしちゃいましたぁああああ!!!』

 「ズレか、確かにこの辺とか問題と解答見たら所々合ってる……」

 『……ううっ、潔く補習頑張ります私……っ!!』


 ぎゅっ


 「かな……!」

 『ノヤっさん……?』

 「一緒に遠征行けないのか……?」

 『……行きたいけど……っ!!』


 しんみりする中、日向くんと影山くんは


 「どうやって東京まで行く」

 「走るか」

 「チャリだろ」

 『あっ、じゃあ私も自転車で!!』


 全員「(行く気だ!!!)」


 そう話す中


 「お前ら赤点は1個だけだな?それなら補習は午前中で終わる筈だ……そしたら俺が¨救世主¨を呼んでやろう」


 『「田中(さん)!!!」』


 救世主……!!



 「かな、絶対来いよ!!」

 『うん、絶対行くよ!!』



 そんなこんなで、赤点を取ってしまった日向くん影山くん私以外のバレー部メンバーは先に東京へ


 救世主って…………なんか予想当たりそうな予感がするよ




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