飛べない烏は夢を見る

□目の前の球が全部
1ページ/4ページ


 「(青城は20点に乗った、もう後はない。自分の集中が今この試合で一番高まっているとわかる………サーブ、スパイク来い、俺に来いぜんぶ……拾ってやる!!!)」


 ドンッ


 「大地さんナイスレシーブ!」



 ……すぐそこに見えてる様で青城の背中は遥か遠くで、連続得点(ブレイク)で点をつめないと烏野は負けを待つだけ……!



 ドドッ


 旭さんのスパイクが二枚ブロックを抜けて及川さん、影山くんの元チームメイトが拾って烏野に返ってくる


 ダァンッと田中がスパイク

 しかし笛が鳴り、アウトだったようだ


 烏野19点、青城22点


 青城が22点になった後、月島くんのスパイクで烏野も20点に


 そして月島くんのサーブの番が来て、ノヤっさんが抜け日向くんが入る


 観客席で嶋田さんとブレイクを願うなか、青城が取り、烏野が取り返す


 ……熱戦だ……!



 「ナイスレシーブ!」

 「2番2番!!」


 ババンッ


 「ん゛っ」


 青城のスパイクを影山くんが拾い


 「龍ラスト!!」


 「オオッ」


 ドガガッ!


 田中のスパイクは止められちゃったけど……



 「(¨目の前の球が全部¨!!!)」


 床に落ちていくボールを足で上げた田中


 そのボールを日向くんが拾い、青城に返した


 青城は反応できずにボールは床に落ち、烏野に点が入った


 「「うおっっ」」

 『「「しゃあああ!!チビ助ボーズ/日向くん田中ナイスッッ!!!」」』


 観客席で叫ぶ私達


 ……もう1点……もう1点……!



 「(…負けてたまるか)」

 「(負けてたまるか!)」

 「(負けてたまるか!!)」


 ドガガッ!


 「っしゃあああ!!」


 でも、皆の思いは青城も同じ……



 スパンッと青城のスパイクが決まり、青城はマッチポイントに


 あと1点で青城の勝利になる……!


 烏野の皆の顔が強張る中


 「野郎共ビビるなァーッ!!前のめりで行くぜ」


 ノヤっさんが重い空気を変えた

 その言葉で皆笑顔に


 ……やっぱりカッコいいよ、ノヤっさん……!



 ピーッ


 「任せろ!」


 トッ


 「ナイスレシーブ!!」


 ラストにガツンッと旭さんのスパイクが決まり



 「「旭さんナイスキイイ!あと1点!!」」


 縁下くんと成田くんが叫ぶ


 ……そう、このあと¨1点¨が途方もなく高い壁……!


 23ー24



 田中のサーブの番


 サーブをミスれば即試合終了、綺麗に拾われて攻撃を決められても終わってしまう……


 ……すごい緊張とプレッシャーでいっぱいだろうな……!



 ドッ


 「オーライ!」

 「ナイスレシーブ!」


 綺麗に拾ってセッターに行く……!


 「(速攻来るっ、絶対落とすな!!せめて……触れ!!!)」


 ドバッと第1セット以来の胸レシーブ……!


 田中が受けたボールはダイレクトに青城に返っていく……


 そんなとき、影山くんがワンハンドで日向くんにトス


 ボンッとスパイクが決まって、及川さんはブロックしきれずにボールが床に落ちた



 これで烏野も青城も24点


 『追い付いた……!』

 「「おっしゃ同点んんん!!!」」

 「なんだっけ、これ……」

 「デュース……!先に2点差つけた方が勝ちだよ……!」


 烏野も24点になると、青城はTOを取った





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ