フェアリーテイル夢小説

□死神は二度笑う
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 人の並みを掻き分けて一同は中に進む。
「駅内の様子は?」
 エルザが近くにいた駅員に聞く。
「な・・・なんだね君!!」

 ゴッ!!!

 即答しないとわかるとエルザは駅員に即座に頭突きをした。
 二、三人こんなことを繰り返した。
「即答できる人しかいらないって事なのね」
「だんだん分かってきたろ?」
 震えながらルーシィとグレイが言う。
「今さらなに言ってんの?いつものことじゃない」
 二人とは違い落ち着いてカンナが言う。
「なんか慣れてるカンナも怖い。・・・てかこれってあたしの役!?」
 ナツを擦り付けられたルーシィが言ったが聞こえてないのかみんな先に進んでしまった。
 進んで行くと階段で軍の兵隊が何人も怪我をして倒れていた。
「相手は一つのギルド。すなわち全員魔導士。軍の小隊ではやはり話にならんか・・・」
 落ち着いた様子のエルザ。
「急げ!!ホームはこっちだ!!」
 グレイの声でみんなホームに向かう。
「やはり来たな、フェアリーテイル」
 そこで待ち受けていたのはエリゴールとアイゼンヴァルトの大群。
「な・・・なに・・・この数・・・」
 びびるルーシィ。
「待ってたぜぇ」
 エリゴールが不気味に言う。
「貴様がエリゴールだな」
 エルザがエリゴールに聞く。
「あれ・・・あの鎧の姉ちゃん・・・」
「なるほど・・・計画がバレたのお前のせいじゃん」
 エルザが酒屋で見たといううちの二人が話している。
「ナツ起きて!!仕事よ!!」
 ルーシィがナツを揺さぶる。
「無理だよ!!列車→魔導四輪車→ルーシィ。3コンボだ」
「あたしは乗り物なの!?」
 ハッピーがあまりにも大真面目な顔で言ったのでルーシィは突っ込む。
「ハエがぁ〜。お前らのせいで・・・」
 カゲヤマが怨念の籠った声でいう。
 よく見ると耳に怪我をしている。ナツに笛を見られてしまったことでエリゴールから仕置きをされてしまったのだ。
「ん?この・・・声・・・」
 カゲヤマの声にナツが反応する。
「貴様らの目的は何だ?返答次第ではただでは済まさんぞ」
「やはり集団呪殺をするつもりか!?」
 エルザとカンナは殺気立っている。
「遊びてぇんだよ。仕事もねぇし暇なもんでよぉ」
 エリゴールは飄々と答える。それを聞いたアイゼンヴァルトの連中は笑いだす。
「遊びたいだけで人を殺すというのか!?」
 カンナは叫ぶ。
「まだわかんねぇのか?駅には何がある?」
 そう言ってエリゴールはスッと飛ぶ。
「飛んだ!!」
「風の魔法だ!!」
 ルーシィとハッピーが言う。
 エリゴールは空中を移動して行き、拡声器にたどり着き、コツンと叩く。
「まさか・・・」
 カンナが呟く。
 エルザもハッと気が付く。
「ララバイを放送するつもりか!?」
「ええ!?」
「何だと!?」
 一同は驚愕する。
「ふはははは!!」
 その反応を見たエリゴールは大笑いする。
「この駅の周辺には何百・・・何千もの野次馬どもが集まってる。いや・・・音量を上げれば町中に響くかな・・・死のメロディが」
 残酷なことを言うエリゴール。
「大量無差別殺人だと!?」
「これは粛清なのだ。権利を奪われたものの存在を知らずに権利を掲げ生活を保全している愚か者どもへのな。この不公平な世界を知らずに生きるのは罪だ。よって死神が罰を与えに来た。死という名の罰をな!!」
 エリゴールはそう言って窓枠に着地する。
「そんなことしたって権利は戻って来ないのよ!!てゆーか元々自分達が悪いってのに・・・あきれた人たちね」
 ルーシィが言う。
「ここまで来たら欲しいのは権利じゃない。権力だ。権力があればすべての過去を流し未来を支配することだってできるか
「ふざけるな!!」
 間髪を入れずにカンナが叫ぶ。
「こんなことをして多くの人を殺して得る権力なんてゴミ以下だ!そんなことの為に人の命を奪うつもりか!?そんなことの為に人が死ぬなんて・・・私は絶対許さない!!」
 カンナの体からは怒気が立ち上っている。
 みんなは息を飲んでカンナを見ている。
「なんだお前?死を怖がっているのか?」
 エリゴールが言う。カンナはなにも言わず黙ってエリゴールを睨む。
「残念だな、ハエども」
 カゲヤマは沈黙を破ってそう言ったのと同時に魔法で影を伸ばし、ルーシィに攻撃しようとする。
「闇の時代を見ることなく死んじまうとは!!」
「きゃあ!」
 ルーシィが悲鳴をあげる。
「しまった!!」
「ルーシィ!!」
「やっぱりお前かぁぁぁ!!」
 起き上がったナツが間一髪のところで炎で影を切り裂く。
 みんなはホッとする。
「復活!」
 ルーシィが嬉しそうに言った。
「今度は地上戦だな!!」
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