フェアリーテイル夢小説

□妖精たちは風の中
1ページ/3ページ

 カンナはナツとグレイの姿を探して駅内を走る。
 途中分かれ道があった。

「どっち行ったんだろう?二手に分かれた可能性があるな」

 カンナは左に曲がった。
 その時、何かに気付いて立ち止まる。

「何・・・?この魔力・・・」

 まるで駅全体を覆っているような魔力を感じた。

「まさか・・・閉じ込められた!?」

 そう思ったとき、

 ドォォーーン

 誰かが戦っているような音がした。
 カンナは急ぎ足で音のした方へ向かう。

「この魔力は・・・グレイ?」

 思った通り、そこには敵を氷漬けにしたグレイがいた。

「グレイ!!」

「カンナ!?ちょうど良かった。大変なことが分かった!!」

「何?」

「こいつらの本当の目的はギルドマスターだ!今エリゴールがマスターたちの定例会の会場に向かってる!!」

「なんだって!?」

 マスターの命が狙われている。
 私たちの仲間の・・・親の・・・。

「グレイはこの事をエルザに!私はナツを捜しに行く!」

「分かった!!」

 二人はそこで二手に分かれた。

「マスターの命が狙いなんて・・・クソッ!絶対に止めてやる!!」

 カンナは目の前の壁を殴る。
 まずはナツを捜さなければならない。おそらくあの分かれ道の右を行ったのだろう。
 カンナは来た道を戻ることにした。
 進んでいくと、ナツが戦っている場面に出くわした。

「居た!ナツ・・・って!!えぇー!?」

 ナツはカゲヤマをボコボコにして、あろうことか壁に幾つもの穴を開けていた。

「さすがナツ・・・」

「ん?おお!カンナ」

 ナツがカンナに気付いたその時、エルザとグレイも駆けつけてきた。

「ナツー!!それ以上はいい!!彼が必要なんだ!!」

「でかした!!クソ炎!!」

「なんだよ二人して・・・これくれーなんともねえよ」

「彼が必要なんだって・・・どういうこと?」

「説明してる暇はねえがそいつを捜してたんだ」

 グレイがカゲヤマを指さして言う。

「私にまかせろ」

 そう言うとエルザはぐったりしているカゲヤマの胸ぐらを掴み、無理矢理立たせて首元に剣を突き立てた。

「四の五の言わず魔風壁を解いてもらおう。一回ノーと言う度に切創が一つ増えるぞ」

 いきなり何をするんだと思いながらカンナはグレイに聞く。

「魔風壁って?」

「今この駅全体がエリゴールの風に囲まれてんだよ。出ようとすると切り刻まれるから魔法を解くしかないんだ」

「ああ!だからララバイの封印を解除したこいつに魔風壁を解いてもらおうってこと?」

「そういうことだ」

 カゲヤマはエルザにびびってもう少しで口を割りそうだ・・・。もう少しだと思ったその時

「ガハッ!!」

「!!カゲ!!」

 いきなり血を吐いて倒れたカゲヤマ。その背中にはナイフが深々と刺さっている。
 後ろにいるのはさっき逃げたアイゼンヴァルトの一人。奴が仲間であるカゲヤマを刺したのだ。

「クソッ!唯一の突破口が・・・ちくしょぉぉぉ!!」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ